Kamiyo

パピヨンのKamiyoのレビュー・感想・評価

パピヨン(1973年製作の映画)
5.0
1973年”パピヨン” 監督フランクリン・J・シャフナー
(父が宣教師の為 日本生まれ 16歳まで(昭和11年 )
”猿の惑星の印象が強烈なのだが””パットン大戦車軍団”等でアカデミー賞等を受賞している

全世界で1,000万部のベストセラーを記録したアンリ・シャリエールの伝記小説を映画化したもの。
蝶の刺青をしていることで“パピヨン”と呼ばれた男が、1931年に無実の罪で終身刑となり南米仏領ギアナの刑務所に送られたが、数度に渡る脱獄を試みたのち、ベネズエラの市民権を得たという数奇な体験を綴った

主人公パピヨンを演じたのがスティーブ・マックイーン。
脱獄を共にするルイ・ドガ役はダスティン・ホフマン。
もう、45年前に見たこの作品。
青春時代の私にとって、スティーブ・マックィ−ンは憧れの俳優でした。
彼の作品のなかでは「パピヨン」は極めて印象的な一本となってます。

マックィーンといえば、脱走.脱獄の作品が多い、ここでも彼は独房に入れられる。でもどこか明るさのあった過去作品とは真逆のシリアスな独房生活が描かれる。犯罪者であるにも関わらず、絶対生き抜いて見せるという彼の強い意志が観客の心を引き寄せていく。
仲間を決して売らない気骨溢れる男。そのため食事も半分に減らされ光も閉ざされる。そんな拷問に近い環境で耐え切る男。


ラストシ-ン
パピヨンとルイ・ドガの別れのシーンは見事である。
様々な苦難を乗り越えてきた二人であったが、ここで二人
は別れることになる。それでもお互いを非難したり、強引
に自分の側に引き込んだりはしない。
お互いを認め合いながらの別れである。
断崖から離れていく、ルイ・ドガの背中の表情が素晴らし
い。
これは演技派ダスティン・ホフマンの真骨頂とでもい
うべきであろう。

久しぶりに観ても満点の感想しか出てこない。肩書が俳優の人にとって、こんな作品で演じる事が役者冥利につきる事だろう。主役の2人の名演はいうまでもないが、収容所長の冷酷な演技が印象に残る。
結局一番の悪者だったのが修道院のシスターだったという皮肉が効いている。
ジェリー・ゴールドスミスの音楽も絶妙に使われている。
音楽の使い方が上品で騒々しさがない。

とても素晴らしい名作ですよ。
Kamiyo

Kamiyo