ホイットモア大統領

真昼の決闘のホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

真昼の決闘(1952年製作の映画)
4.3
「あなたは男前で肩幅も広いけど、それだけで男になれないわ。」

息子ジェフ・ブリッジズにクリソツで、『ブローン・アウェイ』ではその息子の前で爆散する親父、ロイド・ブリッジズが婚約者言われるセリフ。うーん、妥当!

『アウトランド』の元ネタと聞いて鑑賞。
いやあ、めちゃくちゃそっくりだったわ笑

引退間近で結婚式最中の保安官に、昔逮捕した死刑囚が釈放されたとの知らせが入る。しかも今から約90分後の「正午」に到着する列車に乗っているという!
お前それ絶対復讐だろ!ということで、町民たちの提案から1度は町を去るものの、正義感と責任感から町に舞い戻る保安官だったが…

本作の傑作ポイントは2つ!

1つ目は、上映時間と作品内の経過時間がほぼ同じであるということ!

60年前に『24』を先取りした革新的作品であると同時に、迫る殺し屋のタイム・サスペンスが否応なしに後半を盛り上げる!
この90分てのが良いよね!何するにしても長いとも短いとも言えない、絶妙な時間だと思う。

2つ目は、ヒーロー不在の西部劇であるということ。

保安官が町に戻るも、肝心の妻は宗派から暴力に反対し、彼の元を離れてしまう。
仕方なく1人で仲間を募るも、町民たちからは「何で戻ってきたんだ!町のために出てけ!」と非難され、部下には居留守を使われ、勘違いから殴られる。
結果、戦える者は誰一人として助けてはくれず、唯一仲間だった者でさえ、家族を理由に逃げ出してしまった。

この時、町民たちの人間臭く真理を突いた言動と、ゲイリー・クーパーの哀愁漂う何とも言えない顔の対比が好き。『アウトランド』とは異なり、主人公が普通で中年の保安官てのが、ドラマ性をより際立たせていました。
終いには保安官、突っ伏して遺書まで書いちゃう笑

ちなみに『リオ・ブラボー』は、この保安官が気に入らなかったハワード・ホークスとジョン・ウェインによるアンチテーゼ作品らしい。個人的には本作の方が好き。

クーパーさんの新妻役にデビュー2作目のグレース・ケリーが出演してるけど、さすがモナコ公妃!美し過ぎる!!!しかもこれがまた、できる嫁なんだわ…

同じくデビュー2作目のリー・ヴァン・クリーフが殺し屋の1人に扮しており、この人もこの人で画質悪くともわかるイケメンでした!全然セリフ無いが笑