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日本沈没のtjZeroのレビュー・感想・評価

日本沈没(1973年製作の映画)
3.2
小笠原沖で小さな島が海没。原因を調査する内に、日本海溝に巨大な亀裂が発見される。
続いて起こった大地震は、その後の大災害の序章に過ぎなかった…。

半世紀近く前の作品だから、当時の観客のように特撮に驚くことは難しいけど、そのぶん”3.11”の記憶だとか、その後のゲリラ豪雨や台風なんかのニュース映像を思い出して本作の”日本沈没”の描写に補完してしまい、真に迫った恐怖を感じてしまった。

原作は小松左京のベストセラー小説だけど、21世紀を予知したようなその内容には、SF作家のイマジネーションの豊かさに畏敬の念を覚えてしまう。

こういう作品を観ると、災害対策の重要性を改めて考えさせられる。
この国は、他国から攻め込まれるリスクよりも、天災に見舞われる危険性の方がはるかに高いのだから、自衛隊は災害救助に特化した部隊にシフトチェンジした方がいいんじゃないかと思ってしまう。

普段はスコップを手にしていて、有事の時だけ銃に持ち替えるイメージ。
”防衛省”の名称も、”防災省”に替えてほしいくらい。
リクルートの際だって、”自衛隊員”よりも”災害レスキュー隊員”の方が(ボランティアも含めて)人を集めやすいだろうし、親御さんも安心でしょう。

災害に強い、安心して暮らせる国にならないと、いくらオリンピックを開いたって外国からも人が集まりにくいんじゃないか…と感じてしまうような映画だった。
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