koya

ハイ・フィデリティのkoyaのレビュー・感想・評価

ハイ・フィデリティ(2000年製作の映画)
5.0
私の部屋に唯一ある映画ポスターが、この『ハイ・フィディリティ』
レンタル・ビデオ屋で新作リリース過ぎたポスターは無料で配っていて、その中で見つけて、もらいぃ~とすぐパネルに貼って部屋に置いてあります。
ジョン・キューザックの映画では、個人的にはこの映画が一番好きかもしれません(まだ未見のものもあるので絶対とは言えませんが)

一体、何の映画で、いつ、ジョン・キューザックを初めて観たか覚えていない・・・気がついたらファンで、でも80年代は知らなかったから、90年代?確かこの映画の原作本も読んだ覚えがあります。原作舞台はロンドンですが、映画はシカゴになっています。ジョン・キューザック、シカゴの人だから。
この映画では、co-producerの一人であり、共同脚本、音楽監修、そして主演と深く関わっている映画です。

だから、もう、映画これ全編、ジョン・キューザックの映画。
ファンじゃないときついかなぁ。じゃなかったらこの映画に出てくる膨大なマニアックな音楽のマニアか・・・・
カメラ目線でジョン・キューザック演じるロブ・ゴードンが始終、観客に話しかける。

Did I listen to pop music because I was miserable? Or was I miserable because I listened to pop music?

恋人、ローラが部屋を出て行ってしまい、絶望しているロブの独白から映画は始まります。
ロブは、音楽好きが高じて、シカゴでLP&CD中古ショップをやっている30代。

なんか、もう、映画のほとんどがロブの愚痴だよ・・・・なんでふられてばっかりなんだろう、なんでうまくいかないんだろう、何がいけなかったんだろう・・・音楽DJもやっていた音楽オタクらしく、「なんでもトップ5」と考える。

失恋トップ5を思い出して、うじうじうじうじ・・・・よりによって出て行ったローラは、アパートの上の階の住人、ティム・ロビンスのところへ行ってしまった・・・うじうじうじうじ・・・自分を振った女のところへ行って改めて「どうして僕を振ったの?」なんて、おい、一体何年経っているんだっ!

ダメ男のダメダメぶりが、ロブなんだけれども、押しかけ従業員がジャック・ブラックとトッド・ルイーソで、足りないダメ部分をご丁寧に充足しているんですよね。
大事なのはダメな部分も充足しあっているけれど、人のいい部分も充足しあっている、という所。

ジャック・ブラックは脚本段階から想定されていたそうで、ジャック・ブラックのはじけっぷりっていい。
もう、本当にみんな、音楽好きというか、自分の好みが絶対って感じ。
音楽でも映画でも、自分の好きなものが絶対っていますよね・・・関わりたくないタイプかも。

恋愛って人間性じゃなくて、嗜好なんだ・・・ってロブが言うけれど、相性という事でいえばそうかもね。
でも、ロブはロブなりに色々と考え、自分を変えようともがく。
でも、なんだかんだいってロブって浮気するんですよ。
自分でも自虐的に言っているけれど、下半身で考えていてその脳はかなり頭悪い・・・そこら辺が男の人は共感するらしいね。
私は、まぁ、なんというか、女の立場しかわからないけれ女だって同じ。そういう人はいるし。

ロブは結構、女の人に積極的。ローラを演じたイーベン・ヤイレは、デンマークの人なんだけど、弁護士で知的な感じが良かった。ジョン・キューザックとお似合い。
キャサリン・ゼタ・ジョーンズも昔のガールフレンドの一人として出てくるし(その次の『アメリカン・スィートハート』では仲の悪い夫婦役)、リリ・テイラーもお姉さんのジョーン・キューザックも出てるしね。

実はお父さんと妹もエキストラとして出ていて、この一家、仲いい。
ジョンとジョーンの姉弟は他の兄弟姉妹も含め、劇団作って舞台やってるし。ジョーンは、ロブとローラの共通の友人。でもロブに怒ってぎゃんぎゃん言う所は、あ、もしかして子供の時からこんな風にぎゃんぎゃん言い合っていたのか、という妙なリアリティを感じてしまった。

残念ながら、私はこの映画に出てくる音楽、ほとんどわからないのですが、ブルース・スプリングスティーンがカメオで出てくるよ。それはわかった。
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