しぇんみん

エイリアンのしぇんみんのレビュー・感想・評価

エイリアン(1979年製作の映画)
4.0
"宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない"

外宇宙で採掘した希少鉱石を満載し、地球へ帰還中の宇宙貨物船ノストロモ号。

謎の信号をキャッチしたノストロモ号のマザーコンピュータは、発信元の惑星に進路を取る。

コールドスリープから強制的に覚醒させられる乗組員たち。

彼らは、会社の規約に基づき仕方なく惑星の調査に向かうが、その最中、乗組員の一人ケインの顔に謎の生命体が取り付く。

船の設備で生命体を除去しようとするが、その血液は強酸性で、触手の切断すらままならない。

だが、しばらくすると生命体はケインから離れて活動を停止、彼の意識が戻る。

そして、彼の快気祝いの食事中...。

突然、彼の胸を突き破り、新たな形態となった生命体が宇宙船内に放たれる。

急激な成長を遂げたそれは、ノストロモ号の乗員を襲い始める。

船長ダラスを始めとする乗組員と、謎の生命体との、生き残りを掛けた戦いが幕を開ける...。

監督のリドリー・スコット、女優シガニー・ウィーバーの出世作となった作品。

本作は、SFホラー、そして戦うヒロイン映画の元祖と言っても過言ではないだろう。

宇宙の辺境で出会った「異邦人(=エイリアン)」は、頑強な体躯と強酸性の血液に加え、無慈悲な本能を以て襲い掛かる。

H.R.ギーガーの手による、金属と生物の複合体のような「ビッグチャップ」の造形美は言わずもがな。

展開は今となっては時代遅れの感はあるものの、練り込まれた設定とその映像表現は、欠点を凌駕して余りある。

物語が進むにつれ、否応なく高まり続ける緊張感と恐怖は、40年前の作品とは思えないほどの衝撃だ。

そして、やっとの思いで逃げ切ったと思い、一息ついたラスト間際...。

これでもか、これでもか、と畳み掛ける展開には只々唖然だ。

上質なSF映画としても是非鑑賞して頂きたい一品。

ハナマル!

2018/06/18
2018/09/12 一部修正
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