スワヒリ亭こゆう

ヒッチャーのスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

ヒッチャー(1986年製作の映画)
3.3
ルトガー・ハウアーが殺人鬼を演じた隠れた傑作の本作。
B級映画で興行的には赤字だったのですが、キューブリックやクリストファー・ノーランなど、なかなかの著名な映画監督が絶賛しているんです。
そんな事もあって観てみました。


僕の感想としてはジョン・ライダー(ルトガー・ハウアー)の役を面白く想像すると面白いけど、ストーリーを額面通りに受け取るとB級映画になっちゃうのかな?と思いました。


タイトルの『ヒッチャー』。
ヒッチハイクをしてる人というのは察する事が出来ますね。
で、ヒッチハイクをして乗せたやつがヤバい奴!
ここまで観なくても想像出来ると思うんです。
で、アメリカのハイウェイを走るスリラー映画といえば大傑作の『激突』があります。
で、その傑作を如何に回避してスリラー映画に仕立て上げたか、それがポイントですね。


映画冒頭、ハイウェイを車で走る主人公の少年。
彼が朝方、運転中にウトウトしてしまうんですね。一度、正面から来たトラックにぶつかりそうになってしまう描写があったりもします。
そんな時にヒッチハイクをしてる人を見つけて乗せてあげる事にする。まぁ居眠り運転しそうだから話し相手がいれば助かるでしょう。くらいに思ってるとこの乗せた相手がヤバい奴!
急に足を掴んでアクセルを踏み込ませたり、降りろと言っても降りないわ、ナイフで脅してくるわ!
スリラー映画が始まったなぁと思い、観ててワクワクしてきます!
で、ここから裏切りましたね。
ヒッチハイクで乗せた。
ナイフで脅されながら連れ回される。
これだと単純な話になるので脚本家はそうそうに主人公とジョン・ライダーを引き裂くんですね。
で、そこから追うものと追われるものの構図を作り出していくんです。
だけど、ジョン・ライダーはヒッチャー。
ヒッチハイクで追いかけてくる。
乗せてくれた家族を殺しながら…
この辺りの恐怖の描写。
女子供でも容赦ないのがハリウッド映画としては異色ですよね。


ジョン・ライダーとは一体、何だったのか?
人を殺す事をなんとも思わない。イカれた人物。
映画的な僕の想像では主人公が作り出した憎悪や邪悪な心から生まれたのかなぁとか。もしくは主人公の多重人格とか。はたまた妄想や夢オチ。
色んな風に想像させられましたね。
ストーリーが進み、何個かは違うと分かりますが、それが当たってるかは分からないけどそんな風に汲み取れる映画だという事です。
そこにみんな惹かれたのかなぁと思いました。


異色なスリラー映画ですが興味のある方はハードルを下げてB級映画と思いご覧になってみては😁