イラクやアフガニスタンなどでやってる戦争は、今は国の軍隊だけでなく民間の傭兵派遣会社が請け負ってるという現状があり、民間人を殺しても捕まらない、裁かれないそんな理不尽がまかり通っていることも含めて、民営化された戦争が描かれていました。
今まで、移民や貧しい労働者など、社会の底辺に生きる人々を描いてきたケン•ローチは、今回も骨太なストーリーで、見た後にへこむような重い映画を作ってくれました。
いとも簡単に殺されるたくさんのイラク人、戦争で人格を失っていったり、PTSDに悩まされる兵士たち、大国や軍事企業に都合の良いあり得ないルール、どれだけたくさんのイラク人や兵士が死んでも気にせず、どんどん儲けて肥え太る戦争ビジネス…。
そんな戦争の実態を、サスペンスを盛り込んだストーリーと実際の戦争の映像も交えながらズッシリと見せてくれました。
相変わらずこの人の作る映画ってのは、ホントにシビアで救いがないのですが、すごくいろんな事を考えさせられた映画でした。
こんな映画を作れるケン・ローチはやっぱりスゴイです。
12.417 シネ・リーブル
