群青

ゴーストワールドの群青のレビュー・感想・評価

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
4.0
これの一個前のフェリスはある朝突然にという青春モノの作品で散々こき下ろしたワタクシですが、このゴーストワールドという青春モノこそ傑作だと思いました笑
結局のところ自分の好きか嫌いかなんでね、このアプリのレビューの点数のつけ方は笑


何が良いってモラトリアムの描き方がすごい。
他の人はみんなつまんない、この世界はつまんない。と思っている女の子がひとまわりもふた回りも上の変な男と出会う。彼の感性や好きなものを知っていき、もしかするとつまんなくない人もいるかもしれない、というところから起きるドラマ。


何が起きるっていうのでもなくて淡々と進んでいくんだけど、こういう時あるなぁって共感できる。
世界はもっと輝いているはずで周りと違うところだらけに違和感も感じつつもそれが嬉しくて、でも生きていくならそのつまらない世界に順応していかないといけない。
普通に生きたいけど、生きられなくて、いやホントは生きたくないのか、とか変な考えばかりがぐるぐる回る。そんなふうに回っていたらどんどん時間は進んでいき友達も変わっていく。

何が本当の自分なのか。変わっていると思っていた自分に普通なところがあることに対しての戸惑い。身を任せていいのか変なままで生き続けるのか。
そんなモヤモヤが全て内包されている。


ずっとバスを待ち続ける老人がいるんだけど、彼女はそれを最初は変な人と思う。でもなんだかんだあって最終的には彼だけが自分のよりどころと思ってしまう。でもそれは結局幻で頼るものもなくなった時何をするのか。その時は自分で考えるしかないんだなって。
自分で考えてそれが良いことが悪いことかは分からないけど考えることが大切なのかなと。

彼女の進む先に幸あれ。
群青

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