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ノー・マンズ・ランドのミチのレビュー・感想・評価

ノー・マンズ・ランド(2001年製作の映画)
4.9
戦争映画で何が好きかと聞かれたら迷わずこの作品を挙げる。

ボスニア紛争真っ只中。
ボスニア軍、セルビア軍、双方の前線の間の無人地帯、それがノー・マンズ・ランドだ。

無人のはずのそこにいるのは双方の兵士1人ずつ。
そして体の下に地雷を仕掛けられ、動くことの出来ない兵士。
物語はほぼこの3人のやりとりで進んでいく。

これは、戦争の縮図だ。

憎み合う2人、救えない命、何も出来ない傍観者たち。
滑稽にも思えるこの光景が、戦争の全てなのだ。

そしてラストシーンを観たとき観客は、自分もまた何も出来ない傍観者なのだと思い知らされる。

戦争を悲しいとか酷いとか思わせてくれる作品はたくさんある。
しかしこれほどまでに戦争を滑稽だと思わせてくれる作品はないと思う。

ヒーローなんていない。正義も悪もない。

「誰が戦争を仕掛けた?」
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