タキ

スワロウテイルのタキのレビュー・感想・評価

スワロウテイル(1996年製作の映画)
3.9
1996年の映画だけど24年を経てみても全然古くはない。それどころか円をかせぐためにやってくる外国人労働者は増え続け、もはやどこかの国の物語ではなくなってしまった。円盗(イェンタウン)2世の少女はある日タマゴから孵ったイモムシのように突然世間に放り出されどうにかサバイブするうちに庇護してくれる擬似家族を見つけサナギの中でいるように自分をゆっくりと形作ってゆく。サナギの中はヌクヌクとしているわけではなくて、体が急激に変わる痛みもある。みんなで暮らした居場所を取り戻そうと足掻く姿は危なっかしくて切なくてそしてなんとなく懐かしい。そして再び庇護者を失い自立の時を迎えアゲハとなるのだ。かつての母親とは違う円に縛られない生き方を見つけて彼女は飛び立つ。
アゲハ役の伊藤歩はあんまりお芝居は上手くないけど雰囲気が抜群にいい。
いまも一線で活躍している俳優がたくさん出ていてもちろんすごく若くてキラキラでピカピカだった。
三上博史とCHARAのシーンと渡部篤郎と山口智子のシーンが真逆のテイストなのとまさかの桃井かおりだけが地に足がついてる役だったのが面白かった。
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