えいがうるふ

スワロウテイルのえいがうるふのレビュー・感想・評価

スワロウテイル(1996年製作の映画)
4.1
公開時に映画館で観た。四半世紀ほど前の邦画となれば、今観るとありとあらゆる描写にリアルな前時代感を感じずにはいられないが、斬新な見せ方でありながら、現在に至るまでの日本の一面をリアルに映していたともいえるその世界観はその嘘くささも含めて今でも見応えがあって面白く、やたら長いし決してテンポも良くないのに退屈しなかった。
役者に外国語で台詞を言わせて興ざめになるパターンは多いが、ここまでちゃんぽん具合が突き抜けているとむしろ不自然に聴こえないのが不思議。

素なのか演技なのか定かではない癖の強いcharaの芝居に目をみはる。まさに彼女のために書かれた映画といってもいいくらい、そのキャラクターの魅力で持っている面が大きい。自分はすごく好き。ただ、監督の思い入れが強いのはいいがさすがにライブシーンに尺取りすぎなので彼女の音楽性に興味が無い人は途中で飽きるかも。

当時のトレンディドラマ俳優がじゃんじゃん出てきて脇役ながらしっかり美味しいとこ取りをしてるのが露骨にフジテレビな感じだったが、それはそれであの時代ならではの邦画の勢いの一面を表しているようで興味深かった。