Kamiyo

タッチのKamiyoのレビュー・感想・評価

タッチ(2005年製作の映画)
4.0
”タッチ(2005)”  監督犬童一心 脚色山室有紀子
原作 あだち充

「タッチ」といえば、あだち充代表的作品を、同名アニメを基に作成された青春ラブロマンスの、そのため国民のほとんどの人が知っているんじゃないかと思うぐらい
その映画を、新人の頃の長澤まさみが主役に浅倉南を演じている。実写版なので、どうしてもアニメの世界から遠ざかってしまいがちだけど、まあそれなりに上手に見せていると思った。
ともかく、長澤まさみさんが、最高に美しい。
一生のうち、一番きれいな時を、うまく切り取ったと思う。女優さんには、こういう映画が、時にあります。
長澤まさみさんのファンの僕にとって
とっても透明感があって、すっごくかわいかったです。
おもしろかったし。。。 感動したよ。。。

やはり原作を知ってる人と知らない人では、全くちがいますね。僕は原作をさらっと読んだことがあり、詳しいわけでもなく、また無知なわけではありません。
僕のような人がこの映画を一番感動して見ることができると思います。
原作ファンの方は物足りないと思いますが、あらすじくらいなら知っているという方なら、ぜひおすすめです。

野球ラブストーリー。
上杉・兄達也(斉藤祥太)弟和也(斉藤慶太 )の双子の兄弟に、生まれた時から一緒に育った、幼なじみの浅倉南(長澤まさみ)ちゃんのつぶやいた、この台詞「南を甲子園へ連れてって」が高校野球に全力を尽くす2人の根底に流れている
小さい頃南と結婚するのは南を甲子園に連れて行った方だとの約束があった。甲子園出場が三人での約束だった。

同時に和也と達也の間には南への秘めた愛があった。
南は兄達也に好意を持っていた。
達也はそれに気づき、野球から身を引くことで和也に道を譲った。微妙な三人の関係。
その約束を果たすべく、和也は野球一筋に打ち込んでいた。しかし、和也に突然の不幸。
西東京大会の決勝の日に事故死してしまう。

達也は色々な部を経験しふらふらしていたが、友人のおかげで、和也の遺志を継ぎ、達也が甲子園を目指し野球に復帰する。

原作を読んでいないのでわからないが、原作を知らなくてもストーリー的には感動ものだ。敵役の新田(福士誠治) に花を持たせるのは原作にあるのだろうか。途中で満塁ホームランを打たせ最終回で三振に打ち取る。
お互いにスーパーマンでないところがいい。
あと、野球を知らない方でも、『敬遠』は知っておかないと、最後に感動できないかも知れません。
試合のシーンは迫力があって、1球1球で息をのみ
1球1球で鳥肌が立ちました。
意外にも様になっていた二人の上杉役の投球フォーム。

この物語は”野球”という、ある意味悲劇的で精神論を求められるような世界にあだち充が挑戦したものであって
彼にとって野球そのものがこの話の中心にはなっていないはずだ。むしろ双子の男兄弟と一人の女子高校生の”ほのぼのした”恋愛を描いているに過ぎず、野球はそのテイストとして使われているに過ぎないのだ。

「世界で一番、浅倉南を愛しています」
この台詞で幕が閉じられる。
この台詞は達也の思いであるとともに、
和也の思いでもあるのだと思う。
友情と愛情のはざ間での葛藤がすごく伝わり
思わず涙がこぼれてしまった。

評価は余りはよくないみたいですね。。。。
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