撲殺

愛のむきだしの撲殺のネタバレレビュー・内容・結末

愛のむきだし(2008年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

主人公のユウは敬虔なクリスチャン。しかし母親の死から徐々に歯車が狂いだし、高校生になる頃にはヤンキーさらには盗撮魔になってしまう。

そんなろくでなしのユウだが胸の中に母から授かった「いつかマリア様のような人を見つけなさい」という言葉をずっと持っていた。そしてある日!ユウはとうとうマリアを見つける。しかし彼女はユウの義妹なのでした。そして家族は怪しい宗教にハマりだして…という内容の映画である。

暴力、エロ、宗教、現代の世の中で「不健全」とされるものがこれでもかと詰まったこの作品は人によっては不快に感じるだろう。私も正直顔をしかめたシーンがいくつかあった。しかしそれらのマイナスな感情は全てラストシーンが洗い流してくれた。

この映画は純愛映画だ。不健全の皮を被った純愛映画だ。どこまでも真っ直ぐだけどねじ曲がっているユウとヨーコ、彼らにとってあのラストシーンはこれまでの鬱屈とした日々や後悔を全て帳消しにするものだろう。

それまで散々こっちの気持ちを沈ませてきたくせに、最後の最後で胸を熱くさせる園子温監督のズルさに感謝しながら楽しむ映画だと思う。
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