みちろう

ツィゴイネルワイゼンのみちろうのレビュー・感想・評価

ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)
4.5
よくわからんけど…なんだか凄くておもしろい

教授の青地が旅先で旧友の中砂に再会する所から始まり、その後旅館で知り合う芸者、妻たちを交えて摩訶不思議な夢でも見せられてるような空間へ誘われる。

ストーリーは徐々に夢か現実かわからなくなりいつのまにか置いてけぼりで最後まで何が起きていたのかはハッキリとしないまま終わった。もちろんストーリーをわかってた方が良いはずだけどこの映画はこんなに困惑させられても劇中の映像表現がとにかくインパクトあって心を掴まれる。

ホラー要素はほぼ無いのにどこか不安を煽る怪談のような雰囲気を匂わせ、観る側を翻弄する取り憑かれたような登場人物たちの動き。昭和の映画ならではのセットを駆使したカラクリ演出に和洋折衷な日本を魅せまくるアート。ここまで日本の良さ?が決まってる映像表現は初めて観た。

フェリーニ、ベルイマン、タルコフスキーなどの巨匠たちの映画にチラッと触れてみてハリウッド映画に無い独特な世界観に圧倒されてきたけどまさか日本でもこんな映画が作られてるとは知らなかった。

最近のテレビは昭和の歌謡曲ばかりじゃなく昔の映画も紹介して欲しいなぁ!

チゴイネルワイゼン/レコードに混じった声/青地(西洋)と仲砂(和風)/こんにゃく鍋/股からぬぅっと出てくるカニ(合成)/盲目三人衆/眼球舐め/拍子木/紙吹雪/お骨をちょうだい
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