このレビューはネタバレを含みます
実在の人物ダイアン・フォッシーの半生を描いた作品。ゴリラに対する情熱とまっすぐな性格、力強さや過激さなど、良い面も悪い面もきちんと描写されており、変に美化されてなくてとても良かった。
最期は史実通り殺されてしまうのだが、それまでの密猟者とのやり合いが、切なくもあり悲しくもある。密猟者側も決して快楽でゴリラを殺しているのではなく、家族のため、生きていくために行っているのである。だとするなら、一体誰が悪人なのか。
途中に出てきたフォッシーの恋人ボブが、誰を追求すべきかという問いに「フロリダの外科医」と答えているが、結局のところ同胞の白人が元凶なのである。
本物の悪人の知らないところで、ゴリラを軸に戦う構図は、まさに動物愛護問題の縮図である。
私自身あまり動物愛護というものを手離しで称賛する気にはなれないが、なんにせよフォッシーの功績は、ゴリラにとっては良かったのだと思う。
映画としては何より、本物のゴリラと共演し尽くしたシガニー・ウィーバーに圧巻である。