円柱野郎

告発のときの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

告発のとき(2007年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

戦争の非人道的な側面において、その異常な状況で如何に若者が蝕まれていったかを鋭くえぐったストーリーは、非常に深く考えさせられたね。折り目正しい軍人だった主人公の信じる規範は、今の時代には通じない。その悲哀は同年に公開された「ノーカントリー」にも通じるものがあると思う。
同じく主人公を演じたトミー・リー・ジョーンズがまた素晴らしい。真相が明らかになるにつれて、信じているものが失われているという事実は辛いですが…。妻を演じるスーザン・サランドン、女刑事のシャーリーズ・セロンも確かな演技が良い。
上下反転させた国旗はSOSの印なのだという。(旗のくだりは前半での振りがワザとらしくてちょっと好きではないが)それを使ったエピローグは、主人公の絶望感と共に今のアメリカを象徴するものとしてすごく印象に残った。けっして楽しい作品ではないけど、現実の一端を知るという意味で良い作品だと思います。
円柱野郎

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