くまちゃん

ドラえもん のび太とアニマル惑星のくまちゃんのレビュー・感想・評価

4.1
地球と人類史をシニカルに描いたファンシーSF。

環境問題、自然保護、核、災害、侵略、戦争等、社会的なテーマを重く直接的に描写している。

アニマル惑星は高度な科学文明を有し、自然を保護し、争いがなく、国や差別といった選民思想も存在しないユートピア

地獄星は発達した文明による環境破壊や核戦争などにより荒廃したディストピア

二重惑星であることからも分かる通り2つは対局を成しており、アニマル惑星を侵略するニムゲという構図は、地球における動植物と人間の関係性を表している。
アニマル惑星創世神話の神様はニムゲなのか未来人なのか。

ニムゲの秘密結社コックローチ団。
意味を調べたらゴキブリらしく辛辣すぎる。
ママがドラえもんとのび太に環境問題を説明するくだりは、問題提起として露骨すぎる気がした。
この場面がなくても観客は自然環境に対する危機感を読み取るはず。
その時ドラえもんに対してエネルギー問題を説くのは嫌味か皮肉に聞こえる。
裏山がゴルフ場建設の危機。
ドラえもん世界での裏山は急速に発達する文明や都市開発に対する自然の象徴だと気がついた。

アニマル惑星は武器や戦闘技術が皆無で決して完璧な世界ではないが、侵略による攻撃などは大戦を経験した作者の深い反戦のメッセージが込められているような気がする。

「素晴らしい空気だ」
ニムゲ総長が最後に漏らしたこの言葉は作品を象徴するとともに後世への問題提起でもある。

星の花や探検セットなど登場アイテムが伏線として回収される綺麗なプロットに脱帽。




あぁ、だめだ眠くて支離滅裂…
くまちゃん

くまちゃん