(※前アカウントの写しです!)
オダギリジョーは本当にいる。
この手の男に「じゃあ、オマエんち俺あがっていい?」と聞かれたら、渋谷スクランブル交差点の真ん中でこう叫ぼう。
「おととい来やがれーーっ(ꐦ°᷄д°᷅)!!!!」
恋の猛者たるお嬢様、お姉様方の乙女心のキズが浄化され、渋谷の空で星になったところで(見えないけどね)あたしの溜飲が下がったので本作の感想に入りたいと思う。
本作の登場人物の気持ちが痛いほどわかってしまう。
あたしは妹で田舎から東京に出てきた組だ。
出て行く気持ちもわかるし、残った者の気持ちも少なからず知っている。
だって、周りに先達がたくさんいるのだ。18歳で家を出るまでいろいろ見、いろいろ聞いてきた。
物語の前半、東京に出て行った弟タケルの傲慢さにイラついた。
兄ミノルとチエコを見ているときの目つき。どことなく蔑んでいる視線。
その後の展開。
女を駒のように、道具のように扱う様子。
腹立たしい。
いっぽう、兄ミノル。噂話がすぐ広がる狭い田舎で、長男として家に残りすぐキレる父と二人で暮らす。
大変だよね?好きでもない家業。彼女もいない。近所付き合いも気を使って大変。いろんなものに縛られて。弟はいいよね、自由でさ…。
でも、観終わってみると、そういう表面だけの話ではないことに気づく。
観た人それぞれが自分に当てはめることが出来るのではないか?
オジサンの言葉が心に残った。
「被害者意識からくる、想像力の欠落」
残った者には残った者の、出て行った者には出て行った者の辛さがある。
本作は全体的にセリフが少なく、そのシーンに相応しい音楽と、ガラス、水、対比、遠近を使ったカメラワーク、視線、動きで語る作品だ。
ただ、ザワザワしたところで、ボソッっと呟くことが多く、言葉が聞き取りづらかったので日本語字幕欲しかった。
見どころは、香川照之が洗濯物を畳む背中と、オダギリジョーのシャワーシーンです(笑)