ゆき

来るのゆきのネタバレレビュー・内容・結末

来る(2018年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます


⚠️閲覧注意⚠️

原作の方もネタバレしてます!!





マリアナ海溝くらい深いところに………

来ちゃった〜〜!!
グッサグサ来ちゃったぁ〜〜!!

走馬灯のように昔のことがグルグルと………(イカン!!死んでしまう!!)

「パトラッシュ…僕もう疲れたよ…何だかとっても眠いんだ………」

(イカン!!ここでヒデキについて語る前にルーベンスの絵の前で死ねない!!)


さぁー行くよ!!😤

①田舎の法事に彼女連れてって成功してる感ひけらかすヒデキ。

②口数が少ないカナちゃんが「ここに居て」って言ってるのに「大丈夫!!☆-(ゝω・)v」なヒデキ。

③裏表のある母親に自分を良く見せるために操作するヒデキ。

④結婚式でカナちゃんへの祝辞の最中、自分の上司に挨拶に行くヒデキ。

⑤新居のパーティーでカナちゃん疲れて気持ち悪いって言ってるのに「もう少しだから☆-(ゝω・)v」なヒデキ。

⑥娘がケガしても何もできないヒデキ。(blogは書くけどな)

⑦鍋吹いてて、子ども泣いててもblogに夢中なヒデキ。なんなら手は出さないで口は出すヒデキ。

⑧夕飯のスパゲッティ炒めてる時間に「オムライス食べに行こう!!」って言うヒデキ。

……………………。


「ふぅ〜〜(-.-)y-~」
あたしはカナちゃんのタバコの煙と共に大きなため息をついた。

「カナちゃん…あたしの斬鉄剣貸そうか?…グングニルもあるよ?…よく磨いてあるよ?…」🗡


凍えそうな結婚式の二次会や職場でのできごとで次々と明かされるヒデキの本性。

カラッポなのを隠すために嘘で塗り固める。
妻と子どもはお飾りか?!

「結婚してやったのに…」
「たかが子ども1人産んだくらいで…」
「あんな親の子どもだから…」
(ꐦ°᷄д°᷅)どんだけなんだよーーーーー!!




一回目の鑑賞では↑のように怒りで心が荒み『あれ』が来そうだったので二回観て原作読んで少し落ち着こうと(笑)





コホン(´-ω-)=3さて、本作は原作の設定を大幅に変えています。

原作では人物描写が優しく『あれ』の姿はハッキリと描かれています。

映画では人物描写が厳しく『あれ』の姿は描かれない。

きっと監督はバケモノの怖さを描くよりも、人間の弱さを描きたかったのかもしれない。


あたしの出身地下妻の知名度を上げてくれた監督。という贔屓目はありますが本作とても良かった❤

オープニングの赤・オレンジ・砂鉄のギザギザ・女体・儀式。パンパン変わるサイケデリックな映像と色彩。
パーンと静かになって森の緑。

『リング』『レクイエム・フォー・ドリーム』を思い出した。

ラストあたり、コトコが祭壇に向かう窓の外の空の色。
オレンジピンクイエローが混ざったような優しいパステルカラーに赤い血しぶき。

やがて来る夜のブルー。
色使いがとても好みだ。

歌舞伎Rockな感じの曲も好み。結婚式のバタフライも笑った。



『あれ』とはいったい何だろう。

映画の中では生まれてくることが出来なかった子、虐待されて亡くなった子の怨念の集合体?というふうに汲み取れる。

そしてそれが狙うのが弱く空虚で覚悟のない心、罪悪感を持った人間。Aを選ぶことも出来たのに勇気が無くてBを選んだ人間。

だってAって大変だもん。怖いし。

子どもにアンパンマンのビデオを観せて育児書を読み込んでいた自分(本末転倒😅)

不満があっても波風たてるのが怖くて黙っていた自分。

ほら、あたしはヒデキとカナだ。

監督に自分の弱さを突きつけられる。
どうだ、これを平静に観られるかと。

最初にあれだけヒデキの悪口を言ったけど、あのヒデキの言動全部にカナは嫌だと言ってもよかった。
母親の借金返してもらった負い目があったとしても言ってもよかった。

波風をたてないのはその時は楽だ。
だけど小さな一つ一つが重なって抱えきれなくなる。

そういうものが「あれ」を呼ぶ。



コトコさんは「エコエコアザラク」と思いきや古代神道の「ふるべ ゆらゆらとふるべ」を唱えていたのでそっち系のひとなのね。

コトコの弱みはマコトだろう。
自分という存在がいたからこそ子どもを産めない身体になったという罪悪感。
どんなにどんなに冷徹になろうとも肉親への愛は弱みに繋がる。

マコトは子ども好きなのに子どもが産めないこと。
努力したところで到底手の届かない力を持つ姉への嫉妬。

ツダとノザキは結婚しないし子どもも持たないことに世間が要求する在り方、言葉に対する怒り。



最後のクライマックス集団祈祷は感動した!
御神木を切り倒すところから始める準備。

ユタのおばちゃんが映ったとき、あの底抜けの明るさこそ最強の証だと思わせたし、彼女たちが辿り着けなかったことを察知した神道系のおじちゃんたちのクールさ。

目も合わせずに「誰か1人くらいは…」と軽く言う。シビレたね😆

セツコさん、腕1本無くしたのにそれでも参加してくれる心意気。

皆死を覚悟しての集団。

セツコさんがヒデキを還すところぐらいからずーっと涙が止まらなかった。


最後の「オムライスの歌」は(あぁ、あんな恐ろしいことがあったのに子どもは無邪気ね…)と思わせるが、「オムライスの国」は「あれ」がいるお山のことなんじゃないの?
先生もオモチャもオムライス♪て?!
人間いないじゃん!?:(´◦ω◦`):ガクブル



『あれ』は倒されていないとみた!

もうね『あれ』は「コワすぎ」の工藤くんの呪物をもってしか倒せないと思います😌
ゆき

ゆき