このレビューはネタバレを含みます
あたしの仕事は接客業だ。
子育て期間を除いて、店舗は変われどずっと同じことをしている。
長年やってきたカンや機転はあると思う。危ない客(笑)を察知したり、何か起きたとき全体にとって最善なのは何かを瞬時に考えつく。(なぜ考えつくかって、それだけ失敗してきたということよ(;´д`)トホホ…)
経験は何事にも勝る。机上の空論より実践なのだ。
本作のことを知ったとき、ジャケットからも155人が救われたことや結果容疑者にはならないことが推測され、皆がことの顛末を知っていることをなぜイーストウッド監督は選んだのだろう?と思った。
バードストライクからハドソン河への不時着シーンは手に汗握る展開だし、大迫力で素晴らしい映像なのだが、イーストウッド監督のメッセージはいつも人の心に関してだ。
150億くらいする飛行機を無事ほかの空港に降り立たせることができたかもしれない、と聞かされた時の動揺。
自分は大変な損害を出したうえ、乗客の命を危険に晒した?
奥さんが言った一言が刺さった。
「なぜ、最も危険なことを選んだの?」そんなようなことを彼に言ったと思う。
長年連れ添った妻に非難されるとは(涙)
奥さん後で謝ったから良しだけど…。
普通だったらここら辺で打ちのめされるのだ。
・大変なことをしてしまった!!
・損害賠償!?
・仕事や生き甲斐がなくなる!
・家族や友人にどう思われる?
・人生終わった…。
まぁだいたいこんな感じであたしなら家に閉じこもって布団を被りサメザメと泣いているだろう(ToT)
しかし彼は長年のカンや実績に自信があった。自分を信じていた。
それを証明するために考えを巡らせ奔走した。
監督が言いたかったのはそこだと思った。
何かが起きたとに自信を持って対処できるか?
皆がお前はダメだと言ったときに、自分を信じてダメではないことを証明できるか?
やったね!サリー!!自分が地道に誠実にやってきたことに救われたね!!と彼の不屈の魂にあたしは泣いた(*ノД`*)・゚・。
あと、ところどころで入るジョークがいい。
重要な用事→ゴルフなんだ!
ラガーディアを定時に出発したいわ。→JFK空港から飛べばいいのよ。
何か付け加えることは?→今度やるときは7月にするよ。
日本は赤ちゃんのとき、添い寝やおんぶでベッタリだが、大きくなるとほとんど触れ合わない。
そして、白黒つけたがらない曖昧な国民性。
アメリカは赤ちゃんの時から別室だが、死ぬまでハグとキスで触れ合う。白黒ハッキリさせる国民性で、上げるときはヒーローレベルまで上げ、落とすときは徹底的に落とす。
一旦険悪になると事が大きくなってしまう
一触即発の緊張状態をジョークとハグで緩和しているのではないかと思う。アメリカにとってジョークはとても大切なものだ。
本作でも全力を尽くした結果、ヒーローになるのか、容疑者になるのかによって運命が恐ろしいほど変わってくる。
生きるか死ぬかの瀬戸際ってことになる。
さぁ、あたしも瀬戸際でバタつけるよう、明日も仕事で学ぶとするか…。
あと、バードストライクどうにかならないのかなと思う。
機体にぶつかるのは仕方ないとしても、エンジンに吸い込まないようにできないものか?超高温でも溶けない網とか?(*゚▽゚*)
マサチューセッツ工科大学の皆さん、よろしくお願い致します。m(_ _)m