踊る猫

ゆれるの踊る猫のレビュー・感想・評価

ゆれる(2006年製作の映画)
3.9
西川美和作品の二本目。相変わらずどう評価したらいいものか悩む。グイグイ引き込んでいく力には欠けていると思うけれど、あくまでこれは私と西川監督の問題であって他の観客がどうなのかは分からない。『蛇イチゴ』と共通しているのはさり気ない長回しくらいか。人間の「ゆれる」感情を巧みに表現していることは間違いない。殺人犯になってしまった兄と一部始終を目撃していた弟を中心に人間関係は回っていくのだけれど、登場人物たちの葛藤が、そこまで異常な行動や描写があるわけではなくあくまでリアリティを重視しており説得力を感じる。兄を演じる香川照之氏の好演、そして何気に木村祐一氏の検事役がハマっていたと思う。西川監督を好きだと胸を張って言うことはまだ出来ないが、しかし観て良かったと素直に思える一作。
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