Melko

フェリーニの道化師のMelkoのレビュー・感想・評価

フェリーニの道化師(1970年製作の映画)
3.1
いつもやってるように、印象に残ったセリフや語りを書きたくても書けない…なぜなら、セリフが映像より3秒ほど早く表示されてしまい、文字と映像でズレてて、しかもそれがずーーーっとだったので、すごいフワ〜っとした見ることができなかったから…

映画でなくてドキュメンタリー
撮ってるフェリーニ自身が「怖い」と思ったサーカス、道化師の歴史と文化、生き証人の証言、生のパフォーマンス
私の祖母が子供の頃は、確かに素行が悪いと「サーカスに売るよ」と脅されてたらしい。
フェリーニも子供の頃に同じように脅されてた。

恐怖と尊敬は紙一重…?
怖くて嫌いだったはずのサーカスと道化師に、だんだんと魅せられていき、彼らの生き様を映像に残さなくては!という使命感に駆られた模様。
国を超えてあちこち駆け巡る。

私も子供の頃ピエロ苦手だったな〜
本編でフェリーニが言うように、笑ってるのに感情が読み取れないことが一番怖かった
白い顔がそれに拍車をかける
ある年の誕生日、体調の悪い中家族で行ったレストラン、サプライズで机をまわって自分の間近まで来たピエロの顔が怖すぎて、気持ち悪くなり、帰宅して吐いた、苦い思い出。。

ピエロたちの行動は無軌道
見てる側の予想通りには動かないことこそ、道化
今や、叙情性や表情も豊かになり、アーティスト性が高くなった道化の世界
全身で表現し、サーカス世界の無口な案内人

フェリーニの場合は映像に
他の誰かは絵で、音で、自分を形成したルーツを何かの形で残すことは尊い
どの世界でも、後継者問題はある
探し求める像の高齢化、それを受けての新しい時代の担い手は

インタビュアー?のマヤが、化粧濃くて黒いミニスカワンピなギャルで、クレしんのチャコみたいだった笑

ピエロたちの(キチンとディレクションされている)好き勝手な動きを延々見るのはシュールだしなかなか疲れる
テレビ用の映像なのだそうで、納得
ある種の資料映像でもあるな

ラスト、風呂敷を畳むかのような幻想的で切ないビジュアルの終わり方は芸術的
サーカスという非日常からの、退場
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