HK

クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝のHKのレビュー・感想・評価

3.8
クレヨンしんちゃん映画シリーズ第二作目。監督は本郷みつる。キャストは矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治、紗ゆり、川田妙子などなど

ブリブリ王国の王子ことスンノケシ王子が何者かによってつれさられた。スンノケシ王子と瓜二つの容貌と体型をしている野原しんのすけは、スンノケを連れ去った悪の組織に目を付けられ、福引でブリブリ王国へ行く片道切符を授けられる。野原一家の冒険大活劇が始まった。

クレヨンしんちゃん映画第二作。前作が軽いSF要素の勧善懲悪であった。今作も勧善懲悪の様相を呈しながら、インディジョーンズ的なアドベンチャー要素も投入され、更に幅広いジャンルの映画の要素を取り入れるようになる。

今作のオカマ要員は、ニーナとサリー、声優は屋良有作さんと塩沢兼人さん。又兵衛おじさんとぶりぶりざえもんですね。二人とも他にもクレしん映画に継続的に出演している声優さんです。まあ一番出てるのは恐らく玄田哲章さんでしょうがね。

今作のヒロインはルル・ル・ルル。声優は紗ゆりさん。初代ななこお姉さんを担当していました。しかし残念ながら癌で若くして亡くなり、その後は伊藤静さんが担当することに。ちょっと舌足らずで拙い所が却って良い味になってますね。

今回のもう一人の登場人物であるスンノケシ王子を演じるのは川田妙子さん。アラレちゃんの声とかやっていましたね。最近のユメミーワールドでもヒロインを演じていました。

クレヨンしんちゃんのそっくりさんという存在、及びしんちゃんの独特の体型、顔の形というものは、この作品においてはとある宝の隠し場所を開けるための鍵となっているわけです。この設定は、後のスパイ大作戦でも生かされていますね。

まあ、インディージョーンズのように、次第にトレジャーハンター映画におけるダンジョン形式を採用していますね。段々と敵の一団が少しずつトラップによって消えていく所は地味に怖かったです。

今作ではジャングルに迷い込んでしまうシークエンスにおいて、現地に住むお猿さんの群れの助力によって脱出することが出来るという展開になりますが、ここでの出来事が後の嵐を呼ぶジャングルに生かされているのかなと思ったり。脚本は同じ原恵一さんだし、ある程度ここから持ってきているのかもしれませんね。

今作で一番大好きなのは、ルルさんの近接徒手格闘アクションですよね。もう子供向けでありながら、敢えて妥協することはなくかっこいい徒手格闘を見せています。スピーディーで目まぐるしく変わる展開はまさにジャッキー映画にも通ずる軽妙さを感じますね。

ミスターハブとの戦闘シーンなどもとても迫力あり、アニメ的ダイナミズムを見事に表していると思いますね。ここでの台詞回しも面白い。
「初めてお前を殺してやろう」「殺す殺すてきやすく言わないでよ!子供が見てるでしょうか!」ていうね。当時のクレしんの状態を皮肉っているのかもしれませんね。

今作から、独特のダンス要素などが加わる。まだミュージカルと言えるほどでもないのですが、後のクレしんはこのような平面的な踊りを見せていく描写を何回も見せていきます。それが後年ちょっとやりすぎになってしまう映画もあるんですがね。

小宮悦子のサイン色紙を希望した揚げ句に、願い事を言うのに失敗してしまうシークエンスも面白い。ていうか小宮悦子てそんなにしんちゃんが好むほど美人なのかと言うと、ちょっと首を傾げる。

まあいずれにしても、見れて良かったと思います。終盤の魔人同士の対決も、マシュマロマン的な面白さがあってみていてとても面白かったですね。
HK

HK