koyamax

金田一耕助の冒険のkoyamaxのレビュー・感想・評価

金田一耕助の冒険(1979年製作の映画)
3.0
角川春樹と大林宣彦による探偵ものの皮をかぶったビザール映画

角川金田一シリーズとしては3作目だそうです。
推理ものの鉄板にして定番なイメージでしたけど、
初期はなかなか危険なチャレンジをしています^^;

単純に金田一作品をみるのであれば、他作品を観るのが良いのではないかとおもいます。

基本的には金田一の確信犯的なパロディ映画です。
ネタは当時のCMのパロディや金田一の自虐パロディや時事ネタを扱っている事が多いです。何が元ネタかもはや判らないものもありますが、結構いろんなところで書かれているとおもいます。
これらの元ネタがわからないことが珍作たる所以というだけではないようで、、。

この映画の戦慄すべきところは、1つ1つの要素としてはふざけていない。ところですね笑
暴走していることに対してだれもまともに突っ込む役がいないというだけです笑(監督にも、角川氏にも、笑)

相棒役の田中邦衛がなんとなく、全体の突っ込みっぽいですが、珍妙なやりとりばかりで、結局、田中邦衛でしかない笑

金田一は「自分だけは犯人の気持ちを思いやる探偵だから犯人を捕まえられない。」とか、もっともらしいことを言っていますが、理屈がよくわかりません笑

一方で演出としては、シーン変わりに、いつもなにか、「おっ!?なんだ!?」と興味をひかせるものが用意されています。そういうところは大林監督ぽい感じがありますね。

内容としてはアレですが、特に素人みたいな下手うっているわけでもないので、観方によれば、ここまでめちゃくちゃできることに勇気をもらえます。
ここまでやってものちに様々な作品を作り続けていますからね。。

この映画の成り立ちからして、映画が単純な芸術でもなく、一生懸命考えた「みんなのオモシロ」を無邪気に観せてくれるものでもなく、いろんな人の思惑が絡んだ複合的なものだと改めて思わされます。。。

その中で大林監督は平然とサヴァイブしてきたのだと思うと、やはり特異な存在です笑

珍作であることを知って引っ張りだして観ているので、
真顔で「くだらん。」とかいうのもどうかと思うので、、
期待していなかった分、楽しめました笑


おすすめはしませんが、何か、めちゃくちゃやる勇気が欲しいときに観る一本としていいかもしれません笑
koyamax

koyamax