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フリー・ガイのkoyamaxのレビュー・感想・評価

フリー・ガイ(2021年製作の映画)
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ゲームが人生のメタファとするならば、
むしろモブなりの生き方も観てみたい。。


(だいぶ前に観た映画ですが。。感想が出ていませんでした。)
ほんの数ミリ踏み出せば、自分も世界も今と違う新しい可能性に満ちている!
そこから展開するのがこの映画の醍醐味!

ということで、
興味深いところは多く、
自分がいたところが疑似世界だった!
恋心が人生を変える!
モブのアイデンティティとは?
平凡な人が世界を救う!
一歩踏み出せば世界は変わる!


この辺りのテーマが
全て集約されているところは脱帽ものですが、
様々な展開をしてゆく故に、むしろ突き抜けた何かを感じなかったのも正直なところでした。

きっと心のどこかで「モブなりの良さ」を探していたんだと思いますが、
むしろ「モブやってる場合じゃないよ!」というメッセージだったので180度方向違いで捉えていました。。。

今作の主人公はいかにつまらない日々を送っているか、どころか、
ルーティンで生きて、そもそもそんなに悩んでいない笑

あんまり迷っていないどころか、すごい立派なんですよ。
最初からモブというより、主人公な感じなんですよね。


モブなりの悲哀、モブなりの喜びも一緒に感じたかったところです。
このあたりはないものねだりですが、
予想に反して中盤からも脇目もふらずどんどん主人公化していくところが
個人的に響かなかったところなのかもしれません。。


同じことを繰り返す。それこそが、我々の住む世界。
誰だって新しい世界に憧れる。でも踏み出せない生き方もある。
そんな後悔まじりの思いも込みで新しい方へ踏み出さなかった場合の「じゃなかった人生」の方の物語に興味があるのは単に自分が年取っただけって感じですが。。

今いる世界が仮初の世界だとしても、いつも行っているスタバが、コンビニが、居酒屋がずっとあればそれでいいとすら思ってしまう。最低限で成立する慎ましい生活を尊いと思いたい。
それがモブってことならモブでいいじゃないか。
どこかに行けば「理想的」な「新たな世界がある」とは限らない。
むしろそんな風に考えてしまう自分を改めて発見してしまった気がしますよ。。

全然フレッシュじゃないまさしく徹底的にモブみたいな感想しかなくて申し訳ありません。。。

モブ側の生き方はどうなんだろうとはずっと思っていたことですね。
モブであるはずの自分達も全否定せず愛してあげたい。とは思いました笑
とか言ってまた映画にないものをここで言っても仕方ないところですが。。
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