koyamax

眼下の敵のkoyamaxのレビュー・感想・評価

眼下の敵(1957年製作の映画)
-
敵の思惑を読み合う将棋みたいな。
相手を強く思うって意味では恋の駆け引きみたいな。

第二次大戦下、
海上のアメリカ海軍駆逐艦VS海中のドイツ海軍潜水艦
というシチュエーションということで、、

戦闘シーンもすごいのですが、顔も知らない見知らぬ相手との意思の齟齬、戦場の距離感が心の距離感にも置き換えられる設定が秀逸。

意思疎通できない状況下、お互いの動向を見極めた末、
敵ながらアッパレと言える戦術、
勝負に対する強い思い、
そこから感じ取れる漢気を目の当たりにして、お互いを認め合うところから徐々に変化していくところにときめきがありますね。

しかし、お互い敵同士、雌雄を決する時が迫ります。
そこに至るまでに、どっちの心情も丁寧に描写されていて、それぞれの思いもすごくわかります。
最初は嫌いで、ゲーム感覚の駆け引きだったはずなのに、徐々に好きになっていくみたいな恋愛パターンのようです。
だから結果が悩ましい^^;

ある種の格闘スポーツや恋愛プロセスを目撃しているかのようであり、
他者と分かり合うには?という戦争そのものに対する根源的な問いかけもあり、普遍的なテーマなんで全然古びてない映画でした。
koyamax

koyamax