滝和也

荒鷲の要塞の滝和也のレビュー・感想・評価

荒鷲の要塞(1968年製作の映画)
3.8
将軍囚わる!

その場所は
ナチス・ドイツ情報部
本部。アルプス山脈に
そびえ立つ鷲しか
降りる事のできぬ、
難攻不落の要塞に、
英国諜報部特殊部隊
そして1人の
米軍レンジャーが挑む!

「荒鷲の要塞」

リチャード・バートン、クリント・イーストウッド主演で贈る戦争スパイアクションの佳作。若きイーストウッドは唯一の米兵役で、二番手ですね。主役はスミス少佐ことバートン。ナバロンの要塞他に代表される戦争エンターテイメントものです。

英米連合の特殊部隊はアルプスにパラシュート降下しますが、ここで1名が死亡。首の骨が折られていたことに気づいたスミス少佐は…。といきなり不穏な気配。しかも、スミス少佐も隊員に秘密で女スパイらしき人物に接触して…

誰が味方でスパイなのか、裏切りものは誰?作戦の本当の狙いは何なのか、とスパイものとして興味深い前半部。また正体がバレる恐怖を描く潜入劇としての部分はやや弱いものの、緊迫感を高めるアクセントにはなってます。

そして中盤の謎解き…。ここは中々ドキドキしました。イーストウッド演じるシェイファー中尉と同じく(笑) このシークエンスは◎ですね。えっ!てなりましたし(^^) そうきたかと。スパイものの醍醐味を味合わせてくれました(^^)

そこからは嵐の爆裂アクション。脱出劇になるんですね。戦争アクションの醍醐味である、爆破(笑) なんでも爆弾ですからね。前半時間をかけていた爆弾がここぞとばかりに爆発する(笑) このダイナマイトにタイマーがついた爆弾が何でもあり。ワイヤートラップ式や時限式と大活躍(笑) ナチス・ドイツをぶっ飛ばせって感じです。タランティーノはこれも好きそう。イングロリアス・バスターズは影響されてますね(^^)

最初はチンタラしてるかなと流し見してたら、中盤から釘付け(笑) これは面白い。ラストも一ひねりあってなるほどと。スパイもの、戦争アクションと巧く繫げていてサスペンスとして良くできていました(^^) かなり長尺物である意味丁寧で、スピード感を出そうとしたらもっとできるんですが、原作者自ら脚本を書いた故に切れなくなっていたと思われます(笑)

リチャード・バートンは冷静かつ大胆、更にモテモテと当時人気が出始めたイーストウッドよりも厚遇されてます。またイーストウッドもあるワンシーンだけ、ずっこけるシーンがあって、これはわざと二番手とはっきりさせるために入れたかなと思えますね。因みに武器は機関銃なんですが、イーストウッドは撃てば当たる(笑) 一番その射撃シーンがあるんですが百発百中。夕陽のガンマンの後だけに配慮されてます(^^) 

イングロリアス・バスターズでタランティーノが復活させたジャンルなんですが、80年代のプラトーン以後、戦争は悲惨で悲しいものと言う当たり前ですが、リアル路線が大作ではメインとなり、この路線は中々大作では作れなくなりました。ただ…不謹慎ながらかなり迫力があり、ドキドキしてスカッとする面白いジャンルなんですよね。また紹介して行きます(^^) 
滝和也

滝和也