ゆうすけ

フットルースのゆうすけのネタバレレビュー・内容・結末

フットルース(1984年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ケヴィン・ベーコンが一躍有名になった青春映画。都会から越してきたレンが、5年前からある事件をきっかけにダンスが禁止になったこの田舎町を変えるお話。表題曲も有名です。

こういう青春映画好きなんですけど、正直あまり刺さらなかったなあ。『グリース』(1978)と雰囲気が似てるけど、どうしても比べてしまうと、微妙に感じてしまいます。

映画全体として少しのぺっとした印象です。あまり起伏がないような。あまり言葉じゃ説明しづらいんですけど。
例えば、映画冒頭の足だけを映したダンスにスタッフクレジットが流れるところが正直この映画で一番好きなところなんですよね。あの見せ方は本当に上手いなあと。ダンスって全身で表現するものですけど、足だけでもそのダンスの楽しさが十分伝わってくるという。
だからこそ、それ以降の話がクライマックスでさえ超えてこない。
ラスト、倉庫の前でチャックに喧嘩を売られるレンですが、割と簡単に返り討ちにします。パーティをめちゃくちゃにされるという展開、そしてそれに対してずっとダンスを嫌っていたショー牧師が何か手を打つなど、そういうストーリーの方がカタルシスもあるし良かったんじゃないかなあ。
結局パーティは続行され、5年間もダンスを禁止にされていた街の若者とは思えないほどキレッキレのダンスが披露されます。ここもちょっと引っかかった。
すごいダンスは見てて気持ちいいからいいんですけど、ん?ってちょっと思っちゃいました。

結局、ヒロインのアリエルの兄が死んだことについては、本当になかったことにされてる気がするし。
あと、レンが集会で牧師に「ダンスがある場所には酒やクスリがつきものだ。そんな危険がある催しは許可できない。また一番の問題は堕落である」と言われた際に、レンはダンスに関する聖書の記述を引用して「昔から人は踊ってきた。だから今の私たちも踊るんだ。堕落のためではない」と反論します。
けど、これって議論になってないですよね。
牧師に対して聖書の引用で返すのは上手いとは素直に思いますが、そもそも昔の人は踊ってきたから我々も踊るんだ、というのは実は理由になってません。昔してたから今もするというのは、論理構造がおかしく、それが罷り通るなら「本来人間は動物で、昔人は服を着なかった。だから私たちも服は着ない」これも成立することになる。しかし、実際に行動に起こすと残念ながら公然わいせつ罪で捕まってしまいます。
そして、「酒やドラッグ」について何も反論できていないですね。
これも気になっちゃいました。ただ、あくまで彼らは高校生で、結局動議は棄却されてしまったので、仕方ないです。
ゆうすけ

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