ひゅうどんこ

河内のオッサンの唄のひゅうどんこのレビュー・感想・評価

河内のオッサンの唄(1976年製作の映画)
3.3
TOEI Xstream theater チャンネル
"【映画全編無料配信】河内のオッサンの唄" を YouTube で見る
https://youtu.be/nbrJuzZg18 (1:28:55)
※2021年11月13日(土)21:00まで

予告
https://youtu.be/-aRSLZabk2E (2:55)

このページに需要があるかは分からないけど、1時間半の余裕があり且つ観てみたいと思われる奇特な方は、無料配信リミットが迫ってます故、以下をすっ飛ばして先に本編をご覧下さいまし。




 かわち、と名の付くものに言及する時、河内弁を避けては通れない。

近畿地方で使われているいわゆる関西弁があり、その中に大阪弁があるのだが、そこからさらに昔存在した律令国をもとに、摂津/河内/和泉地方の言葉に大別される。。という記述がググったらすぐに出てくる。
だが、大阪弁に隣接する山城国発の山城方言を大阪弁の区分に入れている説もあり、現代の普段使いされている大阪府の言葉にもっとも近かったりするのだけれど、ここではどーでもいい別の話。

言葉の同化が進む現代に、実際の地域で実際に話される言葉を、言語区分そのままにあてはめるのは難しい。
「大阪もんの soul を大阪もんの言葉で歌にしてみたで、、あくまでイメージやけどな」と言ったかどうかは知らんけど、ミス花子(♂)の同名曲から着想して、東映東京が作った映画がこれ。

これイコール河内弁と思っちゃうのはマズイが、近畿圏外の皆様が期待する大阪弁とは?という問いへの模範解答と言って差し支えはない。


 舞台は大阪の河内松原。
拓ボンと親しまれた川谷拓三が、彼に世間が期待する役割を最大限に発揮した、拓ボンイメージPVでもある。拓ボン萌え映画。

 正攻法の映画手法、論理的な分別、まっとうな倫理観で見ると、まぁ九割五分くらいアウトな作品。
映画鑑賞に対しての寸法公差が厳しい向きにはオススメ出来ない。

だけど名作傑作は、本作のような膨大な傍作に支えられてるのは間違いない。
初主演映画なのに、ここまで体をはらされる(1:13:00あたり)のは凄いね。

マドンナ役にして準主役である夏純子の神々しさも特筆もの。あまりのオーラに火花すら見える。
若き日の奈美悦子、地域の酋長的ミヤコ蝶々、さらっと過激な公安監視対象 花柳幻舟、新人なのに脱ぎっぷりがいい清水美恵、知ってる人だけ知っているアイドルグループのフラワーキッスなど、女性キャストがどハマリしてる。

男性キャストも、一軍メンバーは誰もいないにもかかわらず強烈な職人揃い。
脇役やノンクレジットの役者も見逃さない方には、食べ残す所が無いほど味がある。


 粗野で下品でハレンチ、、今の映画では無理だけど、公開当時はお正月映画だったんだと。いいんじゃない、時代だもの。

色々縛りが厳しいYouTubeで、1週間とはいえ配信されたことにビックリだわ。



─ ─ ─ 資料色々 ─ ─ ─
 
"【番外編w】河内弁講座" を YouTube で見る
https://youtu.be/8wupI9YFJeM (2:54)
(※リアル河内弁のご参考に)

"ミス花子 河内のオッサンの唄(2016年9月)" を YouTube で見る
https://youtu.be/ws0scy1OpC4 (2:29)
(※花子さんやのにオッサンやで)

"河内のオバハンの唄" を YouTube で見る
https://youtu.be/bDaHkzL4F1U (3:26)
(※オバハンVerあるよ、、ぱちもんやと非難轟々やけど)

"夏純子 1970年" を YouTube で見る
https://youtu.be/-7PggUviAI4 (1:22)
(※ケバカワイイ、時代は回っていることが分かる)

フラワーキッス(70年代のアイドル)─ taisei64様のブログ「アイドルの歴史」より
http://fanblogs.jp/taisei64/archive/632/0
(※死ぬほど情報が薄い中、リアルタイムを知っている世代の声はありがたい)