ねこ無双

魔 デビルズ・オーメンのねこ無双のレビュー・感想・評価

魔 デビルズ・オーメン(1983年製作の映画)
3.8
なにこれぇなエログロ怪奇ホラー。
物凄いワケワカメなエネルギーを感じます。
カイ・チーホン監督作品。
英題はTHE BOXER’S OMEN
こんな脚本よく思いつく。

香港の有名ボクサーが、自分と前世で双子であるタイの高僧の代わりに悪い呪術者と呪術廻戦する話。双子なの前世ですよ前世。

主人公は昔の「藤岡弘。」みたいな髪型。
高僧の幻夢に呼ばれ舞台は香港からタイヘ。
前世で双子だった大師は呪いによって死んだらしく、その呪いをかけた悪い呪術者と戦うように主人公は命じられる。
そのままだと大師は即身仏になれないし、前世で双子だったせいか主人公の体にもその異変が…!
でもそこからいきなり闘いは始まらず、ウォーミングアップ。
なぜか頭も剃り込んで出家→壮絶な修行が始まる…。
この修行シーンもまた珍妙な味わい。

修行中は禁欲を言い渡された主人公がやっと戦い終わり香港帰ってから欲望全開するも、またタイへ連れ戻されて禁欲してないの怒られて逆ギレするとか救世主らしからぬ振る舞いも。ほんとはこの人ギラギラなんで。

やっと始まる呪術合戦はB級パワー炸裂。うさんくささ満載で楽しい。
サンバの美女ダンサーみたいな魔物など出てきたり…。

ドロドロのぐちょぐちょ、ストップモーションみたいな動き方するモンスター。
口から出てくる黒コウモリや、食いちぎったネズミの血を浴びせたら生き返ったコウモリガイコツ。
蜘蛛の動きも手作り感あってなんか可愛らしい。

あとはゲロみたいなドロドロ、生首から下にびろーんと伸びたみみずみたいな内臓、うじの大群。
インパクト強い呪術のひとつでこんなのあったんですけど、内臓やら食材を咀嚼したものを皿に吐き出し、次の人がまた咀嚼して吐き出し、それを死者の口に詰め込んで食させると死者が復活する儀式。おえ〜。

美術もアジアンテイストの独創的な美しさがあって面白い。
タイのお寺の内装は赤と金に彩られ絢爛豪華。

なぜか神聖なものを見たかのような気分を迎える清々しい終わり方!
とっても凄い映画を観た気分。