ねこ無双

バージン・ゾンビ/悪魔の死霊軍団のねこ無双のレビュー・感想・評価

3.8
連投につきスルーしてください
(,,ᴗ ᴗ,,)ペコ


🐾
ジェス・フランコ版と、それに追加撮影・編集したジャン・ローラン版。
両方鑑賞。
個人的偏愛映画(なので参考にはなりません)

私はジャン・ローラン贔屓なので、もちろんそちらから鑑賞したんだけど、正直初見は訳がわからなかった。
その後ジェス・フランコ版を観てからジャン・ローラン版を再度観てみたら、だいぶわかりやすい。
不明瞭なカットに見えたのはこういうことだったのねと。
評判見てみると、どうやらジェス・フランコ版の方が良さそう?
どちらの版も訳わからんなとこも多いんですが好きです。

憧憬の対象だった父の死。その死により死の谷へと誘われた女性の話ととれるのかな?



🐾ジェス・フランコ版

光線銃みたいなうわんうわんの音の後、サスペンスフルな音楽が流れ出すのがカッコいい。
疾走する車窓から景色が流れる。
死の匂いが充満する谷。
車で谷を抜けてたどり着いたお城。
幻影と静寂の別世界に見える。
ゴシック美な内装。
外にオープンな渡り廊下のシーンも撮り方がよかった。
相変わらずうっとりするアートワーク。
亡くなった人を弔う場では故人の目はつぶらせるものじゃないかな?
でも死体にケープを被らせ、目はかっと見開いたまま椅子に座らせて。
そこに住む人たちは氷のように体温が低いくて、人間の食事も取らないと言う。
彼らはこの世の人たちなのだろうかと思わせる描写。

突然に大乱行シーンになるの訳分からんけど、中央に快楽の皇女みたいな人が王座に鎮座してるのは面白かった。
斜面にたくさんの人がぬぼーっと立ってる姿がゾンビのようにも見え、世紀末感がある。
いかにも別撮りエロシーンな場面はチグハグでちょっと残念。

死に迎合していくラスト。
こちらの方がストーリーの流れとしてもしっくり。
ラスト人々が順番に池に入水してく場面は、入浴待ちしてる行列にも見えてちょっと可愛らしかった。



🐾ジャン・ローラン版

ソフトコアポルノ向けとして撮られたジェス・フランコ版にゾンビ復活、襲撃シーンを追加。
つぎはぎ感が強くて完成度が高いとは言えないと思いつつ、やっぱり好き。
より悪夢的、幻想的な物語となっている。
ただしゾンビ登場は悪夢の中だけの登場なので実際にストーリーに絡む訳ではない。

歯抜けの男のアップ、押し寄せるゾンビの悪夢。
これらゾンビはのろのろタイプ。
うげえ、ドア押し破って入ってきたという割には襲撃シーンなんかはとってもゆるい。
取り囲んでわちゃわちゃ触ったり髪の毛つまんだりする程度だったりとご愛嬌。

変な箇所で編集カット、繋がりがちょっと突飛なのが残念。
とにかくこの版ではヌードがカットされまくってるんだけど、いつものジャン・ローラン単独での映画は裸祭りなんで、このようなヌードの無い編集をされてるのがとっても不思議な気分になる。
主人公が死に引き込まれていくところは哀切感じられて良かった。

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ジェス・フランコ版 3.5
ジャン・ローラン版 3.8