創

ディア・ハンターの創のネタバレレビュー・内容・結末

ディア・ハンター(1978年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

東側にルーツを持つ若者が西側の兵として代理戦争に志願するという構図がやっぱり凄まじく重苦しい。
特に結婚式の予感からの怒涛のロシア感、おばあちゃん達のスカーフにミニワンピにブーツとかキャンプかな?と思うサークルダンスやコサックダンスとか分かりやすいモチーフが本当に苦しい。
結婚式なんて幸せしか無いはずなのにワインちょっと溢れるなんて序の口のヒリついた予感と視線の交錯に嫌な予感しかなくて
二人が退場する時にちょっと映るおばあちゃんにもたれかかって寝ちゃってるおじいちゃんとデニーロの全裸疾走での休憩が心地良い。

よく見るとそんな若くなくてたぶん平均年齢36歳とかなんだろうけど
結婚して子どもが生まれるまでコミュニティの中では子ども扱いな感じとか
みんなに花嫁のお腹の子は花婿の子どもではないと知られてるのとか
戦争が無ければたぶんこういう日常の積み重ねの中で老いてちょっと映るおじいちゃんとおばあちゃんみたいになれただろうに。
目指すゴールはそこでは無かったとしても少なくとも若過ぎる葬儀の可能性は低かっただろうに。

そもそも、おそらくジョンカザール喪失の予感の中で作られたものであろう事がもう凄まじく重苦しい。

とはいえ、2回目ぐらいまではあんまりよく分からなかったな。
ロシアンルーレットが怖すぎてそれに引っ張られ過ぎてた気がする。

ロシアンルーレットが運命を分ける。が賛否分かれるとよく見るけど、
やっぱりロシアンルーレットじゃ無いとダメなんだよなぁ。と改めて思った。
確かにロシアンルーレットが登場すると急に非現実的になってえ?は?なんで?みたいになるけど、もはやそれ自体が戦争の寓話度を高めているように思う。
ロシアンルーレット的な何かで傷を負った人はたくさんいた訳だし、戻って来れなかった人も戻っても元には戻れなかった人たくさんいる訳だし。
そういう意味でロシアンルーレットはやはり最高の戦争の象徴な気がする。

親愛なるハンターへ☆ってタイトルだと思っててたまたま鹿ハンターなだけだと思ってた頃からその衝撃度は変わらなかったけど、スクリーンで観るとやっぱり各顔の迫力や緊張感がより増すし、山、街、戦場、川、街、山の場面転換に伴う重苦しさがすごい迫って来る。
めちゃくちゃ久しぶりに午前10時の映画祭観たけどもっと積極的に有給休暇使おうと思った。
創