kazu1961

ブルークリスマスのkazu1961のレビュー・感想・評価

ブルークリスマス(1978年製作の映画)
3.8
▪️Title : 「ブルークリスマス」
Original Title :※※※
▪️First Release Year:1978
▪️JP Release Date :1978/11/23
▪️Production Country: 日本
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-457 再鑑賞
🕰Running Time:134分
▪️My Review
最高に後味の悪い。。。でも傑作。
倉本聰×岡本喜八、そして特撮映画の本家である東宝が「特撮を一切使わないSF映画」を目指した意欲作として話題になりました。
本作、倉本聰が書いたオリジナルシナリオ「UFOブルークリスマス」を岡本喜八が映画化した異色SF作品です。アメリカ映画『スター・ウォーズ』によるSFX映画ブームの渦中にあって、それに対抗すべく「特撮を一切使わないSF映画」としてチャレンジした作品です。
ところが興行的には惨敗しました。しかし、のちに名画座などで上映されるたびに評価を高めていったという、遅咲きの傑作です。庵野秀明監督がこよなく愛している作品でも有名ですね。
もともとアクション映画などの痛快な活劇を得意としてきた岡本喜八監督ですが、ここでは権力の横暴や情報操作の恐怖などに真正面から取り組みつつ、持ち前の快活なテンポやカッティングをおろそかにすることなく、第1級のサスペンス映画に仕立て上げています。ほんと知的なSF映画として再評価すべきですよね。
さらに、特筆すべきは音楽で、ここでは岡本監督とは名コンビの名匠・佐藤勝が当時斬新だったシンセサイザーを用いながら、全編にわたって幽玄かつメロディアスな音楽でその世界観をフォローしています。

物語は。。。
国営放送JBCの報道部員南一矢(仲代達矢)は、京都で開催された国際科学者会議でUFOの実在を訴えた直後に失踪した兵藤光彦博士(岡田英次)の行方を追ううちに、世界各地にUFOが頻繁に現われ、それと遭遇した人間の血が青く変質する事実を知ります。南はその事実を報道しようとするが、JBCに政府の圧力がかかり頓挫せざるを得なくなります。新人女優高松夕子(新井春美)の突然のJBC大型ドラマの主役降板の裏にも、実は同様の手が伸びていました。青い血の人間が世界中で急激に増加している事実を各国の政府が隠蔽する裏には、ある恐ろしい謀略が隠されていました。その謀略の渦中に巻き込まれてしまう、国防庁参謀本部の沖退介(勝野洋)と
その恋人理容師西田冴子(竹下景子)。二人が迎えたイブの夜とは。。。

キャストも岡本映画の常連俳優が勢揃いで、中でも岸田森、天本英世といった個性派たちが出番は少なくとも、出てくるだけでその存在感を発揮しています。竹下景子と田中邦衛は、この作品で初めて倉本聰の脚本作品に出演しました。なお『北の国から』において原田美枝子がUFOに吸い込まれる幻想シーンは、『ブルークリスマス』において竹下景子がUFOと遭遇するシーンと同じく光線だけで表現していますね。
ほんと、再評価すべき傑作ですよね!!

▪️Overview
UFOを目撃した人々の血が青くなり、そのような人間が増加したその時、アメリカ大統領が苦悩の末、決断した計画とは……その中で展開される人間の愛と苦悩を描くSF。脚本は倉本聰、監督は岡木喜八、撮影は「姿三四郎(1977)」の木村大作がそれぞれ担当している。(参考:映画. com)

出演は、勝野洋、竹下景子、田中邦衛、仲代達矢、中条静夫 、 大滝秀治 、 新井春美 、 小沢栄太郎 、 天本英世 、 岸田森。
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