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一番美しくのkazu1961のレビュー・感想・評価

一番美しく(1944年製作の映画)
4.0
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2021-648 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋戦意高揚映画ということで、全体の評価は大きく下がっているようですね。。。個人的には、その題材でありながらも戦意高揚映画ということから離れて、働く若い女性たち一人一人の日常と青春を当時の時代背景を織り交ぜながらセミ・ドキュメンタリー・タッチで描いているのが、いかにも黒澤明の凄さだと思える作品で、好きな一本です。

🖋そう、表層的には戦意高揚のために滅私奉公する女性たちの姿を描きつつも、純真で、素直で、個々が団結して目標に向かっていく美しさや尊さを愛おしく伝えているのが素晴らしい。“頑張って!!、頑張って!!”。。。“頑張る”ということが今ではある意味タブーであったり、精神論として看過されたりしますが、この時代背景があるにしろ、私には美徳にすら感じる部分があります。。。今の個人主義、バラバラになった日本を思うと、そんなことを思います。

🖋本作、女子挺身隊の日常をセミ・ドキュメンタリータッチに描いくために、新人女優たちを実際に撮影地の日本光学工業に入寮させ、工員同様の生活を行わせました。そして、乙女たちのリーダーとして気丈に、そして健気にふるまう渡辺つる役の矢口陽子と黒澤監督は公開翌年に結婚したんですね。

🖋決して戦争は肯定しませんが、日本人の勤勉実直な姿やこの時代に乙女たちの価値観はやはり日本人のDNAなんでは、と思ってしまいます。

😌Story:(参考:apple TV)
太平洋戦争も末期に近い昭和十九年、若い女性達は挺身隊の名で軍需工場で働いていた。精密兵器のレンズ工場では渡辺ツルら数十人の女性が寝食を共にして頑張っていた。成績は着実に伸びていったが、次第に疲労の色を隠せなくなっていった。同時に些細な事からいさかいも起こるようになり和は乱れていく

🔸Database🔸
・邦題 :『一番美しく』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 1944
・日本公開 : 1944/04/13
・上映時間 : 85分
・受賞 : ※※※
・監督 : 黒澤明
・脚本 : 黒澤明
・原作 : ※※※
・撮影 : 原譲治
・音楽 : 鈴木静一
・出演 : 矢口陽子、入江たか子、志村喬

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「姿三四郎」に続く黒澤明監督第2作目。第二次大戦の最中の1944年に製作された、時代背景色の濃い作品。学徒動員により勤労奉仕に従事する女子挺身隊の姿を、ひとりひとりに焦点を当ててドキュメンタリー・タッチで描いた人間ドラマ。主演の矢口陽子は本作の翌年黒澤監督と結婚した。
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