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風が吹くままのQvQのレビュー・感想・評価

風が吹くまま(1999年製作の映画)
3.8
キアロスタミ監督作を続けて観ててこれで4作目。正直、イランの人の描いた物語にここまで共感というか、好感を持って観れるとは思っていなかった。何気ない日常や人の営みに目を向けている点などに小津の影響は少なからず感じるし、そのあたりも私の好みではある。加えて人生観というか、この作品の場合は特に死生観みたいなものは国とか民族とかじゃなく本当に個人のもので、地球上どこにでも共感できる人っているんだなと思えたのもこの監督と出会えて良かった点でした。

とはいえ、こういう作風の映画ってだいたい淡々としてて、正直、集中力を持続できずに特に序盤はかなり切れぎれに観てしまいました。ちゃんと観れば良かったと最後の方になってようやく思ったけど、見過ごしてしまったところも結構あったかも。撮り方の細かいところとかセリフとかもちゃんと見れば興味持てたかもなので、惜しいことをしたのかもしれない。ただ中盤以降は結構見どころが多くて見逃せない感覚になれた。牛乳をもらいに行った場面とか、お医者さんとバイクに乗ってるところとか、会話の中にこの映画が語ろうとしてることがようやくわかるようなフレーズがだいぶ含まれていたような気がしました。

風が吹くまま。
いま生きてるということの尊さ。
そうか、そういうことを言おうとしてたのか。合ってるかはわからないけど自分なりには腑に落ちたというか、納得。

キアロスタミさん、もう亡くなってたんですね。続けて観ていきたいです。
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