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少年の君のQvQのレビュー・感想・評価

少年の君(2019年製作の映画)
3.8
学校でのいじめが社会問題になったのはいつぐらいからだろう。相当前であることは間違いないけれど、なくなるということは今もってなくて、なくそうと頑張っている人もたくさんいると思うけど、それでもなくならないのは簡単なことではないからなんだろうなとは思う。

これは中国の話だけど、世界中どこにでもあるっていうのもそうだろうと思う。自殺のニュースは日本でもまだ多い。貧しい子どもが裕福な子どものターゲットになるという構図もないとは言わないけど、そればかりでもないだろうなとは思ってるし、子供間の問題だけでもないのもある程度の大人はみんな思ってることだと思う。

この映画がすべてのいじめをあぶり出しているわけじゃないし、映画の中に解決策を求めるべきでもない。そう思って観た方がいいという気はしつつ、でもいじめの悲惨さについて提起しているわけだから、やっぱり自分の中で答えは見つからなくてもそれについていろいろ考えるべきだろうと思いながら観ました。

悲しい環境で育ったという共通点を持ちつつ全く違う生き方を選んできた二人が、響きあって求めあってとても美しい関係を作っていく。その純粋さはとても胸に響きました。運命といえるような相手にはなかなか出会えないものだけど、二人は出逢ったんだからそれは幸せないことなんじゃないかな。

目を背けたくなるような人間の醜い部分と、透き通るような二人の対比がとても良く描けてる。ただ、二人がよく泣くのが…。涙って諦めてない人が流すものだと思うんだけど、若い時にこんな涙流すようなことばかりなのはホント切ないです。

学校はほぼ受験にしか目を向けてない感じでいじめについて何もしてないようなところは日本と近いんじゃないかな。そしてやっぱり貧しさを抜け出すには高学歴を手に入れることだったりするのも同じかなと思ったり。

人としてどう生きていったらいいのかを教えるのは一体どこがやるんだろう?結局アイドルに「止めよう!」と言わせるのが一番効いたりする、それもまた現実なのかもしれないと思いました。
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