滝和也

メカゴジラの逆襲の滝和也のレビュー・感想・評価

メカゴジラの逆襲(1975年製作の映画)
3.4
そう、奴らは諦めて
いなかった…。
新たなる戦力を得て、
今、再びのメカゴジラが
迫る!終わる夏休みに
子どもたちに向けて…。

「メカゴジラの逆襲」

昭和ゴジラシリーズのラストを飾るは、火力の王、最後の好敵手、そして21世紀には世界デビューしたあのメカゴジラ。メカゴジラⅡとなり、チタノザウルスと共に怪獣王ゴジラを襲います!

前作の流れを一応踏襲し、ブラックホール第三惑星人が再び登場。沖縄の海に沈んだメカゴジラを回収し、強化改良し、ゴジラに挑んできます。その相棒にはチタノザウルス。このチタノザウルスを研究し、学会を追われたマッドサイエンティストに平田昭彦。そしてその娘に藍とも子。彼女がキーとなり、物語は展開し、主人公を交えた愛の物語が…。

監督は帰ってきた本多猪四郎。大人向けでも見れる様、悲恋もののテイストを持ってきてます。前作もスパイモノのテイストをドラマ部分に持ってきてましたが、それ以前の数作はもう子どもたちと見に行った親御さんは寝てしまうレベルだったので、せめて親御さんが寝ないよう大人のテイストをいれたのでしょう。※因みに今作、シリーズ初の女性の胸が映るシーンがあります。まぁ、作り物ですが…。それはそれで良いんですが、気に入らない点が一つ。前回の主役だった大門正明さんがいきなり別の役で出て来て酷い目に合うんです。これさちょっと頂けない。

特撮は低予算ながらかなり頑張ってくれてます。以前の作品のツギハギはあるものの、チタノザウルスの部分は新撮ですし。ゴジラを大流血に追い込むメカゴジラⅡにも新ギミックがあります。前回の弱点をカバーしてるんですが、新しい弱点もできてると言う(笑)。何にせよオールウェポンファイアが美しいですよ、メカゴジラは。またパワーアップした上に今作は二体一。ゴジラのピンチも半端なく、子どもたちは手に汗握る展開ですね。

個人的には、世界デビューしたとは言え、メカゴジラはリベット留めにジャバラ関節です。これぞ至高のデザインですよ。

ゴジラシリーズはここで休眠するわけです。世界を、日本を覆ったオイルショックの波は特撮を風前の灯に追いやります。仮面ライダー、ウルトラシリーズもほぼ同時期に休眠します。ロボットものやアニメに押されたのもあるのですが、致し方ない状況ですよね。

ただゴジラは不滅でした。平成VSシリーズで復活、ミレニアムシリーズを経て、シンゴジラ、ハリウッドへと羽ばたく訳です。日本が生んだ怪獣は世界を魅了し、連綿と繋がります。もしお暇で子どもたちと何か見る場合には良いかなと。昭和ゴジラの最後を飾る対メカゴジラ2本レトロをお楽しみ下さい。
滝和也

滝和也