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ジュラシック・パーク IIIのトルーパーcomのレビュー・感想・評価

ジュラシック・パーク III(2001年製作の映画)
3.0
プテラノドンが大活躍するジュラシックシリーズの第3作。
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』公開のタイミングで復習視聴。

公開時にスピノサウルスのロゴが入った大きなバスタオルを買って、その夏海にいくときにいつも使ってた思い出があります。

そう、本作のメイン恐竜はスピノサウルスなのです。

Tレックスがメインだった前2作から、登場恐竜を少し変えてきたことに批判もありますが、それは仕方ないと思います。
毎回毎回Tレックス映画では観客に飽きられてしまう。難しいところ。
このメタ的な悩みを、ジュラシックワールドでは劇中でクレアの口から言わせてましたね。

<以下、ネタバレあり感想>

【1】恐竜たち
◼︎プテラノドン
満を持して3作目で登場した本作の圧倒的MVP。
彼らのシーンの楽しさだけで、とりあえず見た甲斐あるわって思える。

◼︎スピノサウルス
恐竜というより怪獣感ある演出であまり好きじゃなかった。「恐竜」の描写と「怪獣」の描写って違うと思う。

本能に基づいて自然に生きているのが恐竜。
劇中で、明確に意図をもって襲ってくる敵として描写されるのが怪獣。

恐竜たちの世界に人間が迷い込んだがゆえに恐怖/パニックになるのが恐竜映画の醍醐味であり、
凶暴なモンスターが敵として襲ってくるのは怪獣映画。

スピノサウルスは怪獣だった。
Tレックスとの対決結果もなんかモヤモヤするし。

◼︎ラプトル
彼らはスピノサウルスとは逆に「恐竜」だった。
卵を守るために行動しているだけ🥚。凶暴だけど彼らは自然の中で生きている。

クライマックスで、おそるおそる卵を差し出した一行が姿勢を低くしてラプトルと対峙するシーン。
恐竜たちの世界に迷い込んできた上、卵を盗むという暴挙をおかした人間が平身低頭し、
ただただ卵を取り戻すだけで去っていくラプトルたちという描写は最高。

ただ、もっと中盤で主人公まわりの人間が4-5名くらいラプトルに食いちぎられてもよかったのになーと思ってしまいます。

◼︎草食竜たち
船で草食竜の群れに出くわすシーンの癒し感と、そこにすかさず例のテーマ曲流してくれるのはステキ。

【2】登場人物たち
◼︎グラント博士
1作目の主人公がカムバック。
彼がスクリーンに映っているだけでえもいわれぬ安心感があり
「ジュラシックシリーズだなあ!」って感じる。
島に来るはめになる顛末があまりにも強引すぎて爆笑。嫌いじゃないぞ。

◼︎エリックくん
このシリーズに登場する子供は、パニックを演出するためにいい具合の無能感をみせてくれるのが定番だが、この子は珍しく有能な男の子。

ライフルで武装したプロ(という設定)の屈強な男たちが毎度毎度ほぼ3分で喰われてしまう島で8週間生き延びるとかランボー並のタフガイだぞ。

◼︎エリックくんの両親
無能無能アンド無能。いやあやっぱりこういう人たちがいないとこのシリーズは始まらないよね。
特にちょっとスカーレットヨハンソン似の母親が、わざとかってくらい大声出しまくっていてそのせいでみんな常にピンチに陥る。

彼女が第1作目のお姉ちゃんのポジションだけれど、拡声器使うとかはちょっとやりすぎ感あって、ヘイト集めてしまっていると思う。

他方で父親の方はスピノサウルスの顛末で活躍するのでまあセーフ。

◼︎その他
本作はシリーズの他の作品と比べて人が喰われる印象的なシーンが少なかった印象。
ただ「ハゲたオッさんはいい奴でも喰われる」の法則は健在なので、登場した時点で「この人は喰われる人!」ってなるのが逆に楽しい。


【3】脚本についてほか
◼︎ストーリー全体について
今回は息子の救出計画に博士が巻き込まれるだけというストーリーなので、話が小規模だったと思う。
ただ、前作の2で大量のハンターたちが島に乗り込むなど話が大きくなってきたところを、一転して主人公まわりの人数を絞って恐竜の数を増やしてきた姿勢は好感がもてる。

◼︎母親について
この手の問題児キャラは、最終的に成長を遂げて仲間を救うシーンがあるのがセオリーなのに、卵を差し出すとかいうどうでもいい役割以外何もない(笑)。

終盤でエリックくんの命を救うのは彼女でなければならないと思うが、その役目をビリーに奪われたため、ただのクソクソ女で終わってしまった。これはダメだと思う。

終始観客をイラつかせるだけの存在なのであれば、彼女は終盤で恐竜に喰われることで観客の溜飲を下げる必要があると思うがそれもない。
この作品の欠陥だと思う。

観ていて本気でイラつくってことは演技力あるということだから、女優さんは頑張ったという評価をする必要はあります念のため。

◼︎テーマについて
グラント博士の「神の真似事だ」というセリフはかなり大きなテーマだと思うけれど、それがストーリーにほぼ反映されていなくて残念な感じ。
最新作の『炎の王国』以降ではココを大きく広げてくれそうなので期待。

◼︎名セリフ
『男の子には2つのタイプがある。
天文学者になりたい者とー 宇宙飛行士になりたい者だ』

いいセリフです。グラント博士、ワールド3に出てくれないかなあ。

◼︎スコア
★3.0ですかね。
第1作やジュラシックワールドに比べるとなんだかスケールが小粒で上映時間も短くコンパクト。
駄作とは思わないけれど、粗はいろいろ見えてしまう作品です。
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