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ポエトリー アグネスの詩(うた)のkのレビュー・感想・評価

4.3
まずはイ・チャンドンに拍手👏

私にとってのこれぞ映画! っていうのは今作を指します。それを分からせてくれた今作、これは同級生たちを集めて鑑賞したあとに語らいたいです。

ざっくり言うと、韓国版の「ダンサーインザダーク」のような印象です。でも、主人公のミジャがやられっぱなしっていう訳でもなく、降りかかる不幸と詩作に耽る姿の虚構性がちょっとマッチングしてるかなぁと思ったまでです。タイトルにもある通り、キーは「詩」なんですよね。孫のことやら病気のことやらで不幸が降りかかるんですが、ミジャにとっての「詩」が本人にとっても作中においてもどのような役割を果たすのか。個人的には、その過程で明らかに変わっていくミジャ役の女優さんの演技力にも拍手です。おばあちゃんなのにすごいと思います。

カンヌで脚本賞を受賞しただけあって、脚本は非常に緻密で、味わい深い仕上がりになっています。ストーリーの流れは大事ですが、一番は絵です。カメラが捉える登場人物の動き、仕草、配置、またはショットの意図、これらが確かに計算されていて、意味合いを持っているんです。セリフではほとんど語りません。非常に集中力が必要になりますが、大変な秀作です。
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