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サラエボの花のsugar708のレビュー・感想・評価

サラエボの花(2006年製作の映画)
4.2
エスマの紛争によって起こった悲劇、心に負った傷と出生の秘密、その難しいテーマだけでなく、思春期の母娘関係という普遍的なものを女性監督ならではの視点で描いた作品だと思いました。

個人的には紛争以前、エスマは医学、ペルダは経済学を学んでいたにも関わらず、紛争後にはまったく違う道を歩んでいる。
「大学に行って何になるんだ」と思考すらも変えてしまう。
当然のことながら、争いが命だけではなく、生き残った人間の人生すらも奪ってしまうんだなと考えさせられました。

それでも、最後はこれ以上ないくらい愛に満ち溢れた表情で、未来は明るいものであって欲しいという監督の願いが伝わってくるような作品だと思います。
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