たけちゃん

空の大怪獣 ラドンのたけちゃんのレビュー・感想・評価

空の大怪獣 ラドン(1956年製作の映画)
4.0
火口より生れ地球を蹂躙する紅蓮の怪鳥ラドン


本多猪四郎監督 1956年製作
特技監督 円谷英二、音楽 伊福部昭
主演 佐原健二、白川由美


勝手にお知らせシリーズ「今日は何の日」
本日は7月7日「七夕」ですね。
昨年は七夕に絡めて「三大怪獣 地球最大の決戦」をレビューしましたね。なんせ、あれにはプリンセスとの恋が描かれていましたから( ˘ ˘ )ウンウン

また、それだけではなく、今日は特撮の神様と呼ばれる我らがオヤジさん円谷英二の誕生日でもあるんです。それゆえのゴジラ映画チョイスでした\(^o^)/


【円谷英二】
1901年7月7日、福島県の須賀川市生まれ。
1970年1月25日に亡くなりました。
今でこそ特撮の神様などと言われますが、そう呼ばれるようになったのは60代になってから。若いうちは随分と辛酸をなめたようですね。
かなり優秀だったようで、様々な発明品もあったようです。でも、周りから理解されず窓際に追いやられたことも。
そんな苦労の中で、撮影の工夫を重ねたことが、後の特撮の神様に繋がったようですね。
やはり、恵まれた才能だけではない努力があったんです( ˘ ˘ )ウンウン



そんな円谷英二監督の誕生日に選んだ作品は……
先日の「GODZILLA キング・オブ・モンスターズ」での活躍も記憶に新しいラドン(英名RODAN)wwwの初登場作品「空の大怪獣ラドン」です\(^o^)/

怪獣映画としては日本初となる総天然色作品、それがこの「空の大怪獣ラドン」なんですよね。

監督は本多猪四郎、製作は田中友幸、音楽は伊福部昭、それに円谷英二が絡むので、盤石のスタッフ。
そこに主演として佐原健二、白川由美を持ってくるんですから、力の入り方が分かります( ˘ ˘ )ウンウン




さて、映画です。

オープニング、九州阿蘇市から始まります。
ここにある炭鉱でラドンが孵化するんですが、阿蘇には炭鉱がないので、架空の話ではあります。
でも、この炭鉱場面はセットではなく、ロケですからね。実は、長崎県の鹿町炭鉱がロケ地に選ばれています。
ロケだけあって、映像の説得力が素晴らしい。
また、昭和30年当時のカラー映像は、歴史資料としてもかなり貴重。その意味でも今作は歴史的映画です。

ロケの坑道場面と特撮の映像のマッチングが素晴らしく、実にリアルでした。これ、映画館で観たら、みんな本物だと信じたんじゃないかなぁ。


ここで登場するメガヌロンは古代トンボの幼虫、つまりヤゴですが、元々はシロアリがモデルだったこともあるのか、僕は「放射能X(Them!)」の巨大アリを思い出しましたよ。あれは1954年製作なので、ちょっとは影響受けてるかな?


そして、登場するラドン。
ラドンのネーミングはプテラノドンから取られたんですよね。でも、プテラノドンは7~10mくらいなので、ラドンとは比べものになりません。やはり原水爆の影響か……。

この映画が素晴らしいのは、このラドンが空飛ぶ怪獣だということですね。
円谷英さんは元々、飛行機に憧れてパイロットにもなった方ですし、空撮に定評がありました。だから、空中シーンがとてもリアルです。
また、コクピットからの絵とかグッとくるよね。

あと、ラドンの雛が卵から孵るシーンのリアルなこと。合成が素晴らしくて、とても昭和31年の作品とは思えません( ˘ ˘ )ウンウン

他にも、ラドンの飛翔により巻き上げられる車のリアルさ。西海橋のシーンも見事だったなぁ。ラストの自衛隊によるラドンへの砲撃シーンとかの迫力も凄い!溶岩のシーンとかも見事です。
上げればキリがないけど、この時期の特撮は、本当に素晴らしいなぁ。

ラドンのラストはなんとも切なくて、心に染みます。ラドンがつがいだったことも大きい。怪獣の死ぬシーンで、こんなに胸を打つものもなかなかないんですよ。偶然の産物ではあるけど、それも含めての神様の仕事。はぁ、感動( ˘ ˘ )ウンウン



初ゴジの2年後の製作でしたが、ゴジラに負けない完成度。ゴジラ、ラドン、そしてこの後のモスラ。こうして東宝三大怪獣が出揃いました!

円谷監督、お誕生日おめでとうございます🎊🎊🎊🎊