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天使のくれた時間のtjZeroのレビュー・感想・評価

天使のくれた時間(2000年製作の映画)
3.7
ウォール街の独身貴族ジャック(ニコラス・ケイジ)は、クリスマスの朝目覚めると、郊外のニュージャージーでかつての恋人ケイト(ティア・レオーニ)と結婚していて2人の子どもまでいる家庭に”転生”してしまう…。

聖夜の奇跡により、”あり得たかもしれないもうひとつの人生”を生きることになった男の物語。

主演のケイジは、本作の3年前の『フェイス/オフ』でも、別人に入れ替わる役を演じていた。

ただしあちらは”顔だけ移植”だけど、こちらは”人生丸ごと方向転換”。
あっちのアクション大作でも、こちらのハートフル・ファンタジーでも、難易度の高い役をサラッとこなし、どちらの役柄にも説得力を感じさせるケイジはやっぱり演技力のある人。

それだけに近年の、B級アクション専門、みたいな立ち位置がもったいなく思えてしまう。
もうちょっと本作のような、演技力を発揮できるような作品にも出演してきていたら、もっとバランスのとれた、それでいて幅の豊かな役者になっていたのではないだろうか。

本作のジャックの”あり得たかもしれない人生”に影響されて、演じたケイジの”あり得たかもしれない俳優人生”に思いを馳せてしまった。

人は誰でも、あの時ああしとけば良かった、っていう後悔を抱えながら暮らしているのかもしれない。
だからこそ、タイムマシン物が古今東西、たくさん作られているのだろう。

でも、もし本当にタイムマシンが発明&実現していたら…おそらく、金持ちだけがいいマシンをたくさん利用できるようになるんじゃないか。
そうすると結果的に、もっと格差が広がるような世界になりそう。

やっぱり、世の中の状況がどうなろうと、己の選択に自信をもって後悔せずにやっていくしかないのかな。
前を向いていきましょう。
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