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ツリー・オブ・ライフのDcatcHerKのレビュー・感想・評価

ツリー・オブ・ライフ(2011年製作の映画)
4.4
 とっても難しかったけど印象に残った映画、「 ツリー・オブ・ライフ」。
 映像はとってもきれいで、ブラッド・ピットさん、ショーン・ペンさんが出演しているのですが、何しろセリフが少ない。
 だから、言葉からはこの作品が何を伝えようとしているか、なかなか想像できませんでした。
 DVDを鑑賞した年の4月29日に関越自動車道で乗客7人が死亡したバス事故が発生しました。
 最近、特に理不尽な交通事故が続いていたし、今回の事故も何ともやりきれない思いになりました。
 事故のほんの少し前まで、それぞれがいろいろな思いでバスに乗っていたのに、一瞬で人生を奪われてしまいました。
 なぜ、どうして、この人が・・・。自分や自分の家族、知り合いに、このような事故が降りかかったらどうしたらいいのか?
 自分に耐えられるのか? そんな気持ちになり、人生のはかなさや、命のもろさを痛感しました。
 そして、この事故で、「 ツリー・オブ・ライフ」のあるシーンを思い起こしたのです。
 教会に集まった信徒たちに、牧師が説教するシーンです。
 
 ヨブは高みに”巣”を作れると思った。
 高潔な行いが災いから身を守るのだと
 だが友人たちは誤解し―
 神が罰を与えたと思った
 密かに過ちを犯したのだろうと
 だが違う
 災いは善なる者にも訪れる
 我々は身を守れない
 子供たちを守れない
 ”せめて子供たちは幸せに”と―
 信じることもできない
 ”平和や幸せは永遠に続く”と我々は思う
 だが違う
 雲のように消え―
 秋の葉のように枯れ―
 木のように引き抜かれる
 この世の”計画”には偽りがあるのか?
 不滅のものはないのか?
 去らぬものは何もないのか?
 同じ場所にはいられない
 我々は旅を続ける
 富や運命より尊い目的をみつけなくては
 尊い目的だけが平安をもたらす
 賢者の肉体か または 痛みを感じぬものか
 不安にも負けず―
 美しさや損なう欠損や―
 健康を害する弱さもいとわぬ者か
 神を信じますか?
 ヨブも また神に忠実だった
 友や子らがあなたの支えですか?
 災いから身を隠せる場所はどこにもない
 いつ悲しみが訪れるのか
 ヨブも 誰も知らない
 すべてを奪われた時ヨブは―
 奪ったのが神であると知った
 彼はこの世に背を向け
 永遠なるものを求めた
 ”与える神の手”を見たのは彼だけか?
 ”奪う神の手”を見たのも
 彼ではなかったか?
 神が顔を向けるのを見たのは彼だけか?
 神が背を向けるのを見たのも彼では?
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