このレビューはネタバレを含みます
本作の監督バリー・レヴィンソンといえば「レインマン」の印象が強いのだけど、まさかこのテの作品も撮ってるとは!
「レインマン」でも組んだダスティン・ホフマンを主演に迎え、壮大な海洋SFを造り上げた。
共演にピーター・コヨーテ、シャロン・ストーン、リーヴ・シュライバー、サミュエル・L・ジャクソン、クイーン・ラティファ、ちょい役だけどフランシス・マクドーマンドも出演と豪華な顔ぶれ。
原作は「ジュラシック・パーク」で有名なマイケル・クライトン。
VFXも不自然さはあまり感じられないし、当時の技術でもここまで映像化できるのは素直に感心した。
時に不気味で、時に壮大なスコアも興奮もの。
いくつかに章立ててあってシークエンスの境界線がわかりやすいという親切な演出。
ミステリアスな宇宙船の探索は序盤で終わってしまうが、そこからお互い疑心暗鬼になるサスペンスへとなだれ込む。
宇宙船が未来からやって来たものだという真実が明かされるが、そんな人類史上最大の発見にも関わらず地球外生命体がいないという理由ですぐさま引き上げようとするのは違和感あり。
主人公とベスとの関係性も全く活かせず終い。
クラゲの大群、姿は見えないが確実に迫る巨大イカ、襲いかかる海蛇、、、宇宙船内にあった金色の球体に触れたことで想像したことが現実になるというパワーを身に付けた3人の登場人物。
彼らが最終的に下した決断は[球体について忘れてしまおう]という事だったけど、そんな時は自由にパワーを使えるのもご都合主義的で気になった。
謎の球体についてもちゃんとした説明はないし、一体何が目的だったのか?
満足そうに宇宙の果てまで帰っていくけど、それではまた同じことを繰り返していくのでは?
タイムパラドックスについての言及も無ければ考慮もしていないのだろうか?
ラストでサミュエル・L・ジャクソンが発した台詞を借りるならば[我々はまだ未熟であるから]この球体の目的がわからないのだ、ということかもしれない。
見応えのある映像は楽しめるが、尺が長くて中弛みしてしまったのが惜しい所。