藤原直樹

アメリカン・スリープオーバーの藤原直樹のレビュー・感想・評価

3.8
"スリープオーバー"たった一夜のお泊り会の最中にいくつもの青春が交錯する。「イット·フォローズ」のデヴィッド·ゴードン·ミッチェル監督の長編デビュー作。
若い監督のデビュー作ということもあって荒削りな部分があり洗練されてはいない。
ちょっと学生映画っぽい雰囲気だろうか。
だけど、その若い感性が存分に活かされており非常に共感できるしひたすらノスタルジーに浸れる作品だ。
透明感あふれる映像と絶妙なカメラワークには既に監督のカラーが出ている。

繊細で傷つきやすくて、大人に憧れては早く成長したがる。
だけど10代という貴重な時間はいくら懐かしんでも帰っては来ない。
そのつまらない事で悩んだり、将来への不安を抱えていた時期がいつか愛おしくなるのだ。
スーパーで一目惚れした女のコを一晩中探し回る少年、彼氏を寝取られた少女、現状を変えるために双子のもとへ車を走らせる青年、、、未熟で青臭くてキラキラしている。
何か劇的な展開があるわけでもないのだが、どうしてこんなに胸を鷲掴みにしてくるのか。

今の10代に言えるのは[後悔しないように精一杯青春しろ!]ってこと。
藤原直樹

藤原直樹