ろ

ゴッドファーザーPART IIのろのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
3.9
「マイケル、父さんはお前を愛してる。心から」


3時間半にも及ぶ今作。
インターミッションを挟むほど長い!

正直初めの方は物語の流れをつかみきれませんでした。幼いヴィトーが出てきたと思ったらマイケルが映って・・・。「ヴィトーって聞いたことあるけど、、うーん、誰だっけ?」なんて吞気なことを考えながら観ていました(笑)インターミッション後のストーリーを追うと「ああ、これはマイケルのお父さんの時代と現在のマイケルの話が交互に出てきているのか!」と納得!対比させることで、マイケルの孤独やファミリーの衰退がよりしみじみと感じられます。


夜のパーティー。
緑や赤、ゴールドのイルミネーションが川に映る。そこをボートがサーッと通り、水面がゆらゆら揺れる。
めちゃくちゃ綺麗な景色からマイケルとケイの2ショット。マイケルが息子の絵を見てほっこりした次の瞬間、暗殺者による襲撃に遭う。
このストーリー展開の滑らかな流れに惚れ惚れします。


ヴィトー初めての殺人。
その日はイタリアの祭りで街は賑わっていた。
華やかなパレードの裏、花火の打ち上げと同時に静かに引き金を引くヴィトー。
これをきっかけに彼は成功への階段を駆け上がっていく。


「家族のために強くなったことで、家族を失うことは?」

マイケルとケイの言い争い。
「マイケル、あなた本当に分かってないのね」
いつまで「組織を合法にする」という言葉を信じて待てばよいのか。ケイの失望と悲しみが伝わる。

ヴィトーの誕生日会。
子どもたちに慕われていたヴィトー。それに対し、静かに反発するマイケル。「自分の将来は自分で決めるんだ」父の期待に背き、海軍入りを決意したマイケルは父の誕生日を祝福しない。

マイケルにとってヴィトーは憧れでもあり、コンプレックスでもあった。彼のように妻子や仲間に慕われるドンでありたい一方、堅気の生活を取り戻したかった。そんなマイケルは自分の理想からかけ離れ、どんどん手を汚していく。そして敵や裏切り者を消していく中で、孤独を味わうことになる。幸せな生涯を過ごしたヴィトーとの対比によって、マイケルの生活がより寂しく見える。


「コルレオーネファミリーはまさにローマ帝国のようだった」
ろ