Kamiyo

最後の初恋のKamiyoのレビュー・感想・評価

最後の初恋(2008年製作の映画)
3.8
2008年 ”最後の初恋” 監督ジョージ・C・ウルフ
脚本 ジョン・ロマーノ  アン・ピーコック
原題(Nights in Rodanthe)ローダンテの夜
原作は、ベストセラー作家
「君に読む物語」のニコラス・スパークス

リチャード・ギアとダイアン・レインが「運命の女」で共演して再共演。上品なテイストを保った中年男女の恋物語。。。「ストリート・オブ・ファイヤー」が印象的でダイアン・レインが好きなオジサンが観ることになる訳である。非常に分かり易い・・

浮気をして家を出た夫と反抗期の娘を抱えて生活に疲れを感じている主婦のエイドリアン(ダイアン・レイン)彼女は家族から離れて一人、一時の休息を求めてノース・カロライナ州のアウター・バンクスにあるローダンテにやってくる。海辺の小さな町にある友人の宿を、週末だけ手伝うためだった。
ところが、町に着いた彼女を待っていたのは、ひなびた町に大きな嵐がやってくるという予報。期待に反する騒ぎの中、宿には唯一の客として医師のポール・フラナー(リチャード・ギア)が到着する。
彼も手術で患者を死なせ、妻と息子に去られたが、エイドリアンと同じように満たされない結婚生活を送り、良心の呵責をなんとかしたいという問題を抱えていたのだった
海辺のペンションで出会って数日を過ごすうちに
恋に落ちる
浜辺の家で、嵐も経験し、数日、一緒に過ごしただけの二人。。。。年齢を重ねた人の“愛”は、
その人が背負ってきた人生が複雑に絡みついてきて、
たやすく“愛”とは呼べない状況も、あるかもしれません。
しかし、取り巻く状況が紆余曲折しても、人を愛する気持ちは、まっすぐでいたいのです。

共感したのは、二人の文通でした。
若い日のボーイフレンドからとは違う、静かなときめき。
新しい自分を見つけ、新たな命を吹き込んでくれる存在。
エイドリアンは、そこに、
自分を“成長させてくれる愛”を見つけました。
エイドリアンが、ポールからの手紙を楽しみに、開封する姿は、心待ちにしている人からのメールを、開封する姿が
感動した

ダイアン・レイン好きの僕にとっては、40代になっても魅力的な彼女の顔を観ているだけでとても幸せな気分になりました。こういう話には切ない恋の方が心に残ります。
もちろんすでにアラフォーの彼女、しわもあれば、たるみもある。それがなんだっていうのだ!
今や、離婚したり子供がいたり、人生半ばの女性が抱え込むさまざまなモノを背負いながらも、やっぱりどこか魅力的で、さらに恋によってどんどん美しくなる…なんて役、彼女以外の誰ができるっていうんだ!

冒頭のやつれた風から、だんだん変わってきて、怒って、恋に落ちて、それを育んで、そして…。さまざまに変わる彼女の表情が、しっとりと心に刻みこまれる。そして最後の30分。なんかずっと目がうるんでいたような気がするなぁ…。
一番印象に残ったのは、運命の週末を過ごして、男が出発するシーン。割とすんなりと別れて、男が車を出したと思ったら…。このカメラワークは、必見のうまさだと思った。
原題『Nights in Rodanthe』には、
愛も恋もありません。
その関係を、恋愛と呼ばなくても、呼べなくても、
その温度は、友情よりも確かに熱く、置き火のように、
芯に情熱を秘めているものです。

短くてもいい。
たわいのないことでもいい。
手紙が来るだけで嬉しい。
つながっていられることが嬉しい。
彼からの最後の手紙は、彼女には、
最高のおとぎ話だったかもしれません。
しかし、
彼女の号泣の果てに、おとぎ話は終わりました………。

彼ら二人と同世代の方には、自分と重ねながら、
共感する部分があるかもしれませんが
二人の行方を、現実の厳しさと感じるか、
あるいは、
昔、経験した初恋のはかなさを再び、と感じるか
それとも………。
“自分を成長させてくれる愛”
30年前の自分には、知らなかった愛でした。
Kamiyo

Kamiyo