くわまんG

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカのくわまんGのレビュー・感想・評価

3.5
弱者ってのは「不公平な扱いを受けてる人」じゃねえ。「自分が弱者だと思ってるやつ」だ。

言葉にするとこんなに険があるので、これ以上無いほど優しく伝えてくれて、かつ100%実現可能な打開策を見せてくれた人、アキ・カウリスマキ監督。でもそれは、『過去のない男』以降のようです。

みどころ:
カウボーイズの演奏
クスッと来るユーモア
ずっと攻撃的な内容
たまってくる疲労感

あらすじ:
極寒シベリアのクソ田舎で活動していたレニングラードカウボーイズだったが、寒すぎてギタリストが凍死寸前に。何とかしてやりたいが金が無い。そこでマネージャーのウラジミールは、アメリカでひと稼ぎしようと画策。
仕方なしに渡米したメンバーだったが、早速都会の洗礼“詐欺”に会う。踏んだり蹴ったりのスタートをきったカウボーイズ、果たして無事ギタリストを救えるのか……?!

既に天才的ユーモアセンスは備わっているけれど、近年の丸さや穏やかさは殆ど無し。この頃のカウリスマキはさながらカウンターカルチャーの申し子で、のんきに楽しんでる客を、憤怒と共にじわじわ締め上げる。信仰への態度も攻撃的、というかまだ懐疑的なんじゃないかなぁ。

「楽しんでるかいリア充ども?俺たちは楽しいぜ、楽しみ方を知ってるからな!お前らなんかより絶対楽しいのさ!」…てなところかな。まだこの頃は、浅慮な人達の悪口言わなきゃやってられなかったんだろうなぁ。