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招かれざる客のmichiのレビュー・感想・評価

招かれざる客(1967年製作の映画)
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大学生の時、課題でこの作品を観て初めてシドニー・ポワチエを知り、なんて紳士でお上品な人なんだろうと深く印象に残っていた。
今見ても素敵な方です。今年亡くなってしまいましたが、アメリカで活躍した黒人俳優の先駆けとして激動の時代を生き抜き、歴史を拓いた一人。

プライベートでも長年パートナー関係だったスペンサー・トレイシー&キャサリン・ヘップバーンの夫婦もすごく良かった。
最後の父親の熱いスピーチは、先が長くないと悟っていたスペンサー・トレイシーのキャサリンへの思いがこもっていたんだろうなと思う。ストーリー的にはかなりご都合主義な演説ですが、名シーン。

普通に考えて、娘がアポなしで彼氏を連れて帰ってきて、今晩から出張で行った先で結婚するから今すぐ承諾してねって言われたら、相手がどんな人だろうと親は戸惑うと思うよ。しかも出会って10日とか、先々心配でしかない。そこに当時は違法の州もあったほどタブーだった異人種間の結婚ときたもんだから、あの結末は「映画だなー」という感じは否めない。
ジョンも優等生すぎて現実感がないけれど、誠実にジョアンナとその両親を大切に思う気持ちがあってこそ、当時から広く受け入れられたのかもしれない。

ジョアンナの黒人との婚約を察知し、お節介にも嫌味を言いに家まで来た母親のビジネスパートナーをスマートに解雇するところが爽快。
劇中でジョアンナが「子どもを全員大統領にするつもり」と語っていたらしいけど、あんな時代の後に本当に黒人大統領が本当に誕生したんだから、こういう話を観るとその激動ぶりを改めて感じます。

〈今年の映画鑑賞もこれで最後です。今年もたくさんの映画に出会い、皆さんのレビューも楽しませていただきました☺️後半はいろいろ忙しくなってきて、最近は観たい映画が溜まっていく一方ですが…来年も引き続きのんびり観られたらいいなと思います。皆様良いお年をお迎えください✨〉
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