うみぼうず

トム・ホーンのうみぼうずのレビュー・感想・評価

トム・ホーン(1980年製作の映画)
3.5
スティーブ・マックイーンの人生ラストから2番目の作品。死期が迫っている自身の境遇に重ねているのか哀愁漂う虚しさが良い。

風邪ひいて熱出して寝込んでたけど多少回復して来たので映画でも観ようかなと。ただ倦怠感とリンパの腫れがあり軽めの映画観たいということでチョイス。意外と奥深く面白い作品でした。

トム・ホーンはジェロニモを捕まえたと言われる伝説のアウトローだが時代の変化と共に生きる場所が狭くなっていく。法と秩序が万能かと言えばそうでは無い。権力を傘に着ているだけ。トムはマックィーンそのものと言っても過言ではなく、自由な生き方を対を求めているだけ。山を恋しそうに何度も見つめるシーンは印象的。

ノスタルジーを感じさせつつ古いものから新時代への移り変わりは良くも悪くも取り残される人が出る。でも古いものにも良さはあるよね、神父さんの28年物の聖書とかトムの馬とか。

時々ハッとさせるシーンはあって、面白い見せ方だなと思う一方、意図不明なカットも多数あり。少し惜しい作品。
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